松本隆トリビュートアルバムを亀田誠治とともに振り返る



田家:幾田りらさんは松田聖子さんのことをどう思っていたんでしょうね?

亀田:お母さんがこの曲を聞いていたということは仰っていましたね。

田家:りらさんの声の儚さが聖子さんと違う感じがしたんですよね。

亀田:そうですね、本当に儚さとかしなやかさみたいなものがあって。聖子さんの歌には聖子さんの歌の素晴らしい魅力があるんですけど、そこの影響をボーカルとして全く受けていない。大抵、聖子さんのカバーというのは、どこか聖子さん節に引っ張られて聖子さんぽくなっていくんですけど、幾田さんが新世代だなと思ったのは、自分の歌で素直に歌われたというのが僕としてはすごく嬉しかったですね。サウンド面でも、僕のサウンドは生のピアノと僕の弾いているウッドベースとジャズドラム、ストリングスしか入っていないんですけど、オリジナルはドラムマシーンやシンセサイザーが雰囲気を作っている。この時代性の違い、ボーカリストの見え方、立っているステージを違う場所、未来に伝えていくというか。たぶん今回僕が使っている生のドラム、生のピアノ、ウッドベース、ストリングスセクションって50年後も残っている楽器だと思うんですよ。そして幾田りらさんの歌声は、YOASOBIのikuraさんとして、日本で今一番聞かれている歌声だと思うんですよ。この歌声を届けたかったという、僕なりの様々な世代に音楽を届けていきたいという思いも込めています。

田家:ドラムが河村"カースケ"智康さん、ピアノが皆川真人さん、ストリングスが今野均さんストリングス、そしてベースが亀田誠治さん。お聞きいただいたのは、幾田りらさんの「SWEET MEMORIES」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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