松本隆トリビュートアルバムを亀田誠治とともに振り返る

今週と来週のゲストは、『風街に連れてって!』のプロデューサー・アレンジャーの亀田誠治さん。1964年生まれで、松本さんとは15歳違いますね。先月10年ぶりの新作アルバム『音楽』を発売した東京事変のベーシストです。亀田さんがどんなアーティストを手掛けられて来たのか? あいうえお順で言うと、吉岡聖恵さんのいきものがかりをはじめ、エレファントカシマシ、GLAY、椎名林檎さん、JUJUさん、スピッツ、back number、秦基博さん、平井堅さん、MISIAさんなど、到底ご紹介しきれないアーティストを手掛けている、今一番忙しく、一番輝いているプロデューサー。現在進行形の生きるレジェンドプロデューサーであります。今週と来週は、アルバムの全曲解説を亀田さんにお願いしましょう。亀田音楽専門学校の校長先生の特別講義として、心して拝聴しようという二週間です。こんばんは。

亀田誠治(以下、亀田):こんばんは。よろしくお願いします。ありがとうございます。

田家:先月は東京事変で色々ご出演されていましたが、こうしてご自身のプロデュースした作品を語るときは、東京事変のメンバーとして動いているときとは違うものがありますか?

亀田:そうですね。全く違っていて、東京事変で動くときは僕もメンバーの一員ですし、今日は松本隆先生のトリビュートの話を田家さんとお話させていただけるということで張り切って参りました。

田家:最初に話が来たときはどう思われたんですか?

亀田:「やった!」とガッツポーズな感じで。2004年に『風街クロニクル』という松本先生の集大成のアルバムが出たときに、ライナーノーツを書かせていただいたんですよ。そういうご縁もあったりして、僕も松本先生とお仕事をする機会ができたり、そして僕がいま50代半ばに入ってきて、今一度松本先生のJ-POPの名曲を集めて、J-POP大全じゃないですけれど、皆さんに届けられるタイミングが来たんだなと思って。全力でこの企画に関わらせていただこうと思いました。

田家:亀田さんのインタビューは、今回『風街に連れてって!』の初回限定版付属の100ページを超えるブックレットにも掲載されていました。その中で、話をもらったときに設計図が浮かんだ、とありました。それはどういう設計図だったんですか?

亀田:それは今お話したことにもつながるんですけど、J-POP大全として松本先生が作られてきた作品、これはJ-POPのマイルストーンだということを伝えていくには、様々な世代のアーティストに松本先生の歌を歌ってもらい、様々な世代の人にこの作品を聴いてもらうという絵が浮かんだんです。そのときに、自分が今までスタジオやライブ、番組で出会ったアーティストや関係者の顔が浮かんできて。この曲はあの人に頼もうとか、大体の収録曲のイメージみたいなものは思いついてしまった、思い浮かべていたという感じです。

田家:それでは、『風街に連れてって!』から改めて一曲。吉岡聖恵さんで「夏色のおもいで」。

Rolling Stone Japan 編集部

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