オリジナルソング制作のスタートアップSongfinch、ザ・ウィークエンド等から資金調達

マネージャーのワシム・“サル”・スレイビーやアトランティック・レコードのCEOクレイグ・コールマンと共に、オリジナルソング制作サービスのSongfinchへ出資したザ・ウィークエンド(Photo by Scott Roth/Invision/AP)

オリジナルソング制作サービスのスタートアップであるSongfinch(ソングフィンチ)は最新の投資ラウンドで、ザ・ウィークエンドとマネージャーのワシム・“サル”・スレイビー、そしてアトランティック・レコードのCEOクレイグ・コールマンからの支援を獲得した。

音楽クリエイタービジネスへの投資が活況を呈している。ユーザーのリクエストに応じてオリジナルソングを制作・提供するスタートアップのSongfinchは、音楽業界に流れる大きな資金を確保した。同社が実施した200万ドル(約220億円)規模の投資ラウンドで、シンガーのザ・ウィークエンドとマネージャーのワシム・“サル”・スレイビー、そしてアトランティック・レコードの会長兼CEOを務めるクレイグ・コールマンが投資家のリストに名を連ねたことが、ローリングストーン誌の取材で明らかになった。Songfinchの投資ラウンドには、スクール・オブ・ロックのCEOロブ・プライス、音楽機器のオンラインショップReverb.comの創業者デヴィッド・カルトらも新たに参加している。

Songfinchは、ジョン・ウィリアムソン、ロブ・リンキスト、スコット・キトゥン、ジョシュ・キャプランによって創業された。キャプランは、スレイビーと共にドージャ・キャットの共同マネージャーを務めている人物だ。同社は、エージェントして管理するアーティストやソングライターのネットワークを利用して、ユーザーからのリスエストに応じたオリジナルソングを制作・提供している。オリジナルソングを作って誰かに贈りたいと考えるユーザーがSongfinchのウェブサイトにアクセスし、好みのジャンル、ムードやシチュエーションのほか、例えば曲を受け取る人が好きなもの、内輪だけに伝わるジョーク、思い出の出来事など、曲作りのインスピレーションとなるいくつかのキーワードを入力する。スパイク・ジョーンズ監督のSFロマンス映画『Her(2013年、邦題:her/世界でひとつの彼女)』に登場するラブレター代筆サービスとは、少し違う。

価格は1曲あたり200ドル(有料アドオンを除く)で、その内100ドルが作曲したアーティストへ支払われる。曲の著作権はアーティストが保持し、購入したユーザーには、友人と曲を共有できる永久使用権が与えられる。「ザ・ロックから友人にバースデーメッセージが贈られたら、サプライズ性や面白さという点で喜ぶ人もいるだろう。しかし我々の提供するサービスはさらに踏み込んで、贈る側と贈られる側の両方に楽しんでもらえる」と、ウィリアムソンはローリングストーン誌に語った。「Songfinchは、単にオリジナルソングを作るだけのサービスだとは考えていない。仮にそうであれば、ただ曲を聞き流されて終わってしまうだろう。我々が目指すのは、友人や家族と一緒に人生の思い出を新たな方法で振り返れるようなサービスだ。」

Songfinchは共通の知人を通じて、アトランティック・レコードCEOのクレイグ・コールマンにコンタクトした。サービスを紹介するとコールマンは興味を示し、1曲オーダーした。これをきっかけに投資につながった、とウィリアムソンは言う。

「Songfinchを通じて、オリジナルの音楽ギフトが贈った相手に感動を与えられることを知った」とコールマンは声明の中で述べている。「Songfinchのクリエイティビティとインパクトは本当に卓越しており、投資にためらいはなかった。」

Translated by Smokva Tokyo

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