イージー・ライフが語るポップでゆるい音楽性、シュールな世界観の秘密

イージー・ライフ結成の経緯、バンド名の由来

イージー・ライフは2017年に、地元レスター出身のパブで結成。現在はマレー、オリヴァー・キャシディ(Dr)、サム・ヒューイット(Ba、Sax)、ルイス・アレキサンダー・ベリー(Gt)、ジョーダン・バートルズ(Key)の5人で活動している。絶妙なバランス感覚に支えられたクインテットはどのように結成されたのか? バンド名の由来やヴィジュアル面のこだわりについても語った。


左からオリヴァー、マレー、ルイス、ジョーダン、サム

―改めてグループ結成の経緯を教えてください。トランペットやサックスを含む現在のバンドのフォーメーションは結成当時からのものですか?

マレー:サム(Ba、Sax)とは同じ学校に通っていて、昔からずっと同じバンドで演奏してきた。ジャズ・バンドだったり、学校の吹奏楽部とかでね。彼がサックスで、自分はトランペットを吹いていた。だから子供の頃から音楽で繋がっていて、卒業後もバンドを一緒にやっていた。オリヴァー(Dr)とルイス(Gt)も、お互い子供の頃から一緒にバンドをやっていた。で、当時の僕のルームメイトがルイスのことを知ってて、「ルイスというギターを弾くやつがいるから会うといい」といって紹介してくれたんだ。

で、ジョーダン(Key)は、実は僕たちの地元ではちょっとした有名人で、かつてBy The Riversというレゲエ・バンドのメンバーだった。スペシャルズやウェイラーズなんかともツアーをしたことがある、かなり活躍してたバンドで、地元のレスターではトップクラスの大御所だった。さらに彼は、イギリスではけっこう有名なHorse Meat Discoというディスコ・パーティーを地元で主催していて。元々はロンドンのゲイ・ナイトで始まったパーティーなんだけど、今や全国に広まってめちゃくちゃ盛り上がる。で、みんなで(レスターでのパーティーに)行った時に、かなり飲んで酔っ払ってたんだけど、僕とオリヴァーとでジョーダンのところに行って、「俺たちのバンドに入ってほしい」と伝えたら、「いいよ」って言ってくれたんだ。


By The Riversでドラムを叩くジョーダン

―そうなんですね。

マレー:もともとみんなで「もう一人メンバーが要るよね。キーボードが必要だ」とは話していたんだ。ジョーダンは当時ドラマーでキーボードなんて弾いてなかった。でも、クールでノリもいいし、ジョーダンが適任だっていう理由はいくらでもあった。それでまあ、酔った勢いで仲間に引き込んだんだ。

正直、当時は楽しけりゃいいと思ってやってたから、誰だろうとノリが合えばよかった。そこまで真剣に考えていなくて、好きな音楽を楽しくやれればそれでよかった。それが結成の経緯だ。それから2017年の夏には地元レスターで、ジョーダンの兄弟でサウンド・エンジニアのPerry Birtlesと、彼の親友のRaj、もう一人Leeとでスタジオを建てていたんで、僕らも手伝ってみんなで一緒にスタジオを作った。以来、そこを拠点に活動している。Perryは今も僕たちのサウンド・エンジニアで、彼と一緒にスタジオを建てた相棒のRajはツアー・マネージャーをやってくれていて、家族のような関係だ。特にポップ・ミュージックの世界では、気をつけないと天狗になってしまいやすいけど、彼らのおかげで、変に浮かれることなく、地に足をつけたまま活動できてる。かつて一緒に何千もの軽量コンクリートブロックを運び込んでスタジオを作った仲だからね。

―バンド名の由来を教えてください。

マレー:Easy Lifeというバンド名は、大した理由はなくて、誰もが気楽に生きたいけど、その術を知っている人は少ない。だからこそ、バンドをやる上で、核になるジレンマとしていいんじゃないかと思った。あとは言葉の響きも音楽と共通したものがある、というくらいかな。


「skeletons」のMVは、イージー・ライフが持つカラフルな世界観にシュールな要素を加えたもので、ワンテイクで撮影されている。

―ミュージック・ビデオやアーティスト写真、ジャケット写真やポスターなど、イージー・ライフのクリエイティブはどれもカラフルで可愛く、ユニークかつアーティスティックで視覚的にも楽しめます。クリエイティブについてのこだわりを教えてください。

マレー:ヴィジュアルも音楽と同じくらい重要だと思っている。自分たちでも凄くこだわっている部分で、手間暇掛けているから、そこに気づいてくれたのは嬉しいよ。昔からシュールレアリズムが好きで、現実ではあり得ない要素を取り入れるのが好き。これまで作ってきたビデオはどれも、シュールレアリズムに則っていて、どこか変だったりちょっとした違和感がある。現実には絶対に起こり得ないということを描いているんだ。

ビデオにしても、ちょっとぶっ飛んでいる。見ている人が「これは現実なのか、作られた世界なのか」って首を傾げたくなるようなものをいつも作りたい。実際に撮影している人たちにしても、素晴らしいアーティストとこれまで仕事ができて本当にラッキーだ。監督、カメラマン、クリエイティブ・ディレクターにしても、才能溢れる人たちと一緒に作ることができた。僕たちのヴィジョンを実際に形にしてくれる人たちだ。チームには素晴らしい仲間がいる。表現方法に関して言うと、いつだって鮮やかで、飽和した色使いが好きで、思い切り飽和させる。色彩豊かで思い切り明るいポップアートに影響されているんだ。

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