HYDE、1stアルバム再現ツアー『ROENTGEN』を出すことは僕にとってロックだった

「20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021」初日公演の様子

「僕だけの、ミニマムでいいから、隅々まで目の行き届いた作品への憧れっちゅうか。昔からこう、絵とか好きだったんですよ」「最初の最終形は、もうちょっとおとなしかったね。自分が描いてる今回のアルバムっちゅうのは、もうちょっとおとなしかった。結構、『やっちゃったかな?』ぐらい(笑)。もっと地味になる予定だったんだけど、それぐらいのものを、やりたかったんだよね」(『ROCKIN’ON JAPAN』2002年4月号)。これはHYDEがソロ名義で初のアルバム『ROENTGEN』をリリースした際のインタビューである。「静」をテーマにした『ROENTGEN』は、HYDEが想像していた以上の確かな手応えを持って生まれた。にも関わらず、この時は作品を発表したのみでツアーを行うことはなく、HYDEも「当時は、このアルバムでライヴをしようという意識が全くなかった」と話す。それから約20年の歳月が経ち、彼は大きな決断をするーー。

それはソロ活動20周年を記念したオーケストラツアー「20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021」。長い沈黙を破り、ついに『ROENTGEN』が観客の前で演奏されることになったのだ。今回はツアーの開催を記念して、6月25日に中野サンプラザホールで行われた初日公演の模様を紹介しよう。

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開演時間の19:06(6:66)になると、管楽器隊、ダブルカルテット、コーラスを含めた総勢22名のオーケストラのメンバーが登場。会場の照明が落ちたと同時にムービングライトが動き出し、ゆらゆらと光が飛び交い、一瞬にして神秘的な世界へと変わった。壮大な演奏に導かれて、白い衣装に身を包んだHYDEが姿を現すと「UNEXPECTED」で幕を開けた。

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