SIRUPと手島将彦が語る、当事者ではないからこそ知っておくべきメンタルヘルス

SIRUP:白黒じゃなく、1人1人がグレーの中道を個性として出すかでもありますよね。自分のスタンスは誇示するけど、世間に全く届かなくてもいいというのは嘘になるから、ライブでファンの顔を見られるときには誰か一人でも感動させたいってスタンスでやる。どっちも考えた上で、どこに向かうのかが成り立っていけばいいなと思っています。

手島:経済活動では、中道で考えると色々面倒くさいこともあるから、白黒はっきりしている方が管理しやすいというのもあるんでしょうね。でも、白黒はっきりつけると大変になる人もいて、それによってむしろ全体のパフォーマンスも落ちちゃう場合もあると思うんですよね。白黒つける時代から次の時代のフェーズに向かっているし、実際にそうできるという感覚が若い世代ほど身についている感じもありますね。そういう変化を大事にできるように、歳をとってきている僕は邪魔をしないようにしたいです(笑)。

SIRUP:SNSのなかった時代と今のミュージシャンでも違うと思うんです。今は色々な手段があるし僕も発信するけど、歌では社会的なことは歌いすぎないようにバランスを調整していて。InstagramとTwitterでも発信することが違うように、全部引っくるめた上で「このアーティストはこういう人なんだ」、と思えるような社会になってきているし、この時代だからできる中道ってありますよね。

手島:昔になればなるほど、人を評価する基準が少ないんですよね。でも、人間の在り方ってそんな少ない評価基準でできていないと思うんですよ。評価基準が少ないために、ミュージシャンもかつては評価基準が100ある内の90くらいを音楽が占めていないといけない状況だったと思うんですけど、個人の活動そのものをアートとして考えるのであれば、もっといろんな面を見ても良いはずです。そういう考え方も、もっと広まると良いなと思います。

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