拷問以上の地獄 米刑務所で大問題になった「恐怖の独房」

ミシガン州で1日20時間以上隔離された州立刑務所の囚人は3200人

Citizens for Prison Reformの報告書によれば、ミシガン州で1日20時間以上隔離された州立刑務所の囚人は3200人にのぼる。リチャード・ゴダールは47年間隔離されている。ジェイムズ・ミラーは約36年間、ダニエル・ヘンリーは12年間、他の囚人から隔離された。クラレンス・ヘンダロンは67歳の時に独房に入れられたが、以来重度の関節痛で車いす生活を送っている。伝え聞くところでは、数カ月も外に出してもらえていないらしい。「単なる拷問だ」と言うのはマリオ・リー受刑囚、通称アケシ。2005年から収監され、現在はイオニア矯正施設で服役中だ。

ミシガン州矯正局のクリス・ゴーツ広報担当者は、矯正局が定期的に囚人を何年も独房に収監していることを否定した(WEBサイトSilencedに掲載された個々の囚人の所在についてコメントを求めたところ、ミシガン州情報開示室に転送された。返答があり次第、追って報告する)。「今年2月の段階で、(管理隔離のもとにおかれていたのは)1名でした。3万2000人の中でたった1人ですよ」とゴーツ氏。だが、全米で展開するUnlock the Box運動の活動戦略担当者ジェシカ・サンドヴァル氏いわく、ミシガン州矯正局は様々な専門用語で隔離を分類して、実際の人数をごまかしていると言う。例えば精神疾患棟、観察棟、一時隔離棟、そして代替隔離、通称STARTプログラムだ。

最近STARTプログラムに移されたアケシは、分類は無意味だと言う。「このプログラムは一般囚人向けに分類されているが、実際は管理(隔離)だ。唯一の違いは、週に1回1時間のグループセラピーに参加しなくちゃいけないってだけさ」と彼は言う。「その一方で、独房との共通点は山のようにある。屋外でのレクリエーションは週5日、1時間だけ。あとはコンクリートの床と金網の檻に囲まれた独房にぶち込まれる」。彼の話では、宗教的集会も含む団体活動には一切参加が認められていない。「1日23時間、あるいは24時間、ずっと独房の中。どう考えても矯正局が言うような一般囚人プログラムじゃないし、ましてや隔離に代わる代替措置でもない」

Translated by Akiko Kato

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