AK-69が語るヒップホップの響かせ方 ラップと歌の二刀流で続けてきた者の強み

ーサウンドでイメージしていたものはありますか。

世界のシーンを見ても、かっこいいサウンドって一周回って更新されていく流れがあって。今だったら50セントとか、あの頃のニューヨークの感じが新しいものとして受け入れられているんですよね。

ーそういう流れからの影響もあった?

ヒップホップって4、5年前の雰囲気を出すと、型落ちしてる感じがするんですけど、10年ぐらい前のものをやると逆に新鮮に感じるというか。ブルックリンのポップ・スモークっていう若いラッパーが、50セントを崇拝していて。彼はその生まれ変わりって言われるくらいあの頃のヒップホップをやって死後に全米でヒットしたんですけど、今回のアルバムではポップ・スモークの流れでドリルを取り入れています。“AKだからこれはやらねえだろ”とか、そういう変なこだわりは全部捨てて、作っていてワクワクするものを大事にしていきました。今までの俺っぽい曲を作ってもつまらないので、予定調和を感じるものを捨てていったというか、一聴したら誰? ってなる感じが楽しかったんですよね。

ー新鮮なものを常に取り入れて、アップデートしていったところがあると。

俺、ラッパーなんで新しもの好きなんですよ。歳食ってくると“あの90年代の感じがかっこいいんだよ”とか、“今のヒップホップはどうなんだ?”みたいな感じになりがちなんですけど、俺は新しいヒップホップめっちゃかっこいい! って思うタイプなので、その感覚を素で投影しただけですね。実は俺って客演でやる時は結構好き放題やっているので、そんな風に良い意味で力の抜けた感じでアルバムを作れたらおもしろいよねっていうのはプロデューサーとも話していました。



Rolling Stone Japan 編集部

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