UAと浅井健一が語る、AJICOが歌う「新世界の夜明け」

AJICO再始動のきっかけとは?

―『接続』の4曲を聴いて、1曲目の「地平線 Ma」の歌詞にある“新世界の夜明け”を見た感じがしました。

UA:うれしい。

浅井:ハハハ。

UA:ほんとに、おっしゃるとおり全曲、新世界の夜明けを歌っている気はします。でも、それは非日常とか、桁外れにすごいとかってわけじゃないと思いたいと言うか、誰もが毎朝起きたら新世界に生まれているような気持ちで、もし生きられたら本当にいろいろな問題がもっと簡単に解決するような気がするし、そういう意味も含めて、日常の延長にある、もっと内観的な意味の新世界だとは思っているんですけどね。

―だから、ライブもきっとすごいことになるんじゃないかなと予想していたのですが、20年ぶりの再始動のきっかけはUAさんだったそうですね?

UA:そうです。

―たまたまWEBでAJICOの楽曲を久しぶりに耳にしたんだとか。

UA:そう、YouTubeでね。いろいろ日本の音楽を、特にバンドの曲を聴いてたらリンクしちゃって、自動的に流れ始めました。

―その時に、今、AJICOをやったらどうなるんだろうかという好奇心が芽生え、またAJICOで歌ってみたいと思ったことが再始動に繋がった、と。

UA:そうですね。音楽って時を巡ってリバイバルするものじゃないですか。形は変えようとはするけれど。今回、それが私の中でAJICOのリバイバルとして起きたという感じでした。

―その時に今、AJICOの4人が集まったら何かすごいことができるんじゃないか、新しいことができるんじゃないかという思いとともにUAさんがYouTubeで聴いたような若いバンドに負けてられないぞという対抗意識もあったんじゃないかと想像したのですが。

UA:いやいや、負けてられないぞっていうのは全然ないですけどね。でもせっかくやるなら、20年前の感じをただ懐かしいねってノスタルジックな思いでやるっていうんじゃ、私はモチベーションが上がらないから。AJICOのファンはもちろん、AJICOを全然知らなかった人までもが新しく感じられるようにはしたいという意味で、サウンド面ではすごく意識的に作りましたけど。今は日本でも本当にいろいろなバンドが多様にいるじゃないですか。わかりやすい言い方をすれば、本当にこだわりぬいているバンドもいれば、完全にマジョリティを意識しているバンドもいるわけで。そういう意味では、マイノリティを意識するだけでは全然意味がない。私たちはね。ちゃんとマジョリティを意識してやるべきだとは思ってやってますけどね。

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