甲斐バンドの70年代・80年代 新しい時代を切り開いた軌跡

甲斐バンドのデビュー45周年のライブベストアルバム『サーカス&サーカス2019』




1970年代から1980年代にかけての新しい時代を切り開いた栄光のロックバンドの軌跡。全てがここで変わったという曲です。1978年12月20日に発売になったシングル『HERO (ヒーローになる時、それは今)』。SEIKOのCMのタイアップですね。甲斐バンドというとこの曲が出てくるわけですが、それはヒット曲の宿命でもあります。改めてこうやって聞くとやっぱりいい曲ですね。甲斐バンドらしいキーワードが随所に散りばめられていて、勢いもある。ここから俺たちはヒーローになるんだというエポック・メイキングな1曲です。

1979年1月1日、午前0時に彼らも出演していたCMの放映が始まって、時計屋の店頭に等身大のPOPが並んだ。2月26日付のシングルチャートで1位になって、ミリオンセラーになりました。前作のシングル、1978年8月にリリースされた『LADY』という曲があって。これはアルバム『誘惑』にも収録されているんですが、セールスは50000枚いくかどうかだったんです。それがいきなり100万枚になった時にどうなるか? アルバム『この夜にさよなら』の1曲目の「最後の夜汽車」では、“スポットライトはどこかの誰かのもの”、と歌っていた。彼らにスポットライトが当るようになりました。

彼らはそれをどう跳ね除けようとしたか? 象徴的だったのは「ザ・ベスト10」に出演した時の出来事ですね。バンドは東芝EMIのスタジオにいて、そこにTBSがカメラを持ち込んで放送した。その東芝のスタジオで行われていたのは、NHK-FMの彼が出演していた番組「サウンドストリート」の1周年記念ライブだったんですね。本来はNHKのスタジオでやるはずだったんですけど、NHKのスタジオにTBSのカメラは持ち込めないということで、東芝EMIのスタジオでやったと。甲斐さんはそこで水割りを片手に歌を歌って、茶の間の顰蹙を買いました。あの若者はなんだ! テレビに水割りなんか飲みながら出るのは不謹慎だ! とバッシングされたことがありました。番組には出るけど、俺たちは媚を売らないということを身をもって示した。「HERO (ヒーローになる時、それは今)」が収録されたベストアルバム『甲斐バンド・ストーリー』も発売されて、シングルとアルバム両方でチャート1位を席巻している時に作られたアルバムが、1979年10月に出た『マイ・ジェネレーション』からお聴きください。これも1979年12月の武道館ライブver.です。「三つ数えろ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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