RMが語るK-POPの定義、BTSと自分自身のアイデンティティ

米ローリングストーン誌より、BTSのRM(2021年4月6日、韓国・ソウルにて撮影) Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Shirt, pants, and bracelet by Fendi.

「夢を追いかけることに焦りと絶望のような気持ちを抱いていました」とBTSのリーダー、RMは語る。

「アメリカの基準で言う、アイビーリーグ(訳注:ハーバード大やイエール大を含む、アメリカの伝統ある私立大学8校の総称)のような一流大学を目指していました」とBTSのリーダー、RMは語る。「良い成績を取ろうと必死に努力する、典型的な優等生タイプでしたね。そんな僕がパン・シヒョク氏(HYBE創設者)を信じて、別の道を歩むことにしたんです。それに、夢を追いかけることに焦りと絶望のような気持ちを抱いていました」。ラッパー、作曲家、プロデューサーとしてのRMの才能、そしてさまざまな事柄に向けられる彼の知的好奇心は、もはやBTSには欠かせない要素となっている。韓国のソウルにある所属レーベルの本社から米ローリングストーン誌の取材に応じたラップ・モンスター改めRMは、BTSの楽曲はK-POPなのか?という問い、韓国のヒップホップの特殊性、『花様年華』期のハイライトなどについて語ってくれた。

※先月、米ローリングストーン誌がBTSが本誌の表紙を飾ったことを記念して、各メンバーをフィーチャーしたデジタルカバーストーリーを数日にわたって掲載した。日本版も「Rolling Stone Japan vol.15」発売日の6月25日へのカウントダウン企画として、完全翻訳記事を毎日掲載していく。

ーあなたは先日、「僕は韓国人であり、韓国人としてでないと何もできない。これ以外のことは何ひとつできない。なぜなら、僕はアウトサイダーだから」という韓国の抽象画の先駆者、キム・ファンギ(1913〜1974)の言葉を引用していました。最近は、主にこの言葉について考えているとも言いましたね。ファンギの言葉は、どのようにしてあなたの作品に当てはめられるのでしょうか?

が聴くポップスやヒップホップのほとんどはアメリカのものです。でも、韓国人のが思うに、韓国人には独自の個性と地域に根ざしたアイデンティティのようなものがあると思います。上手く説明できないのですが、韓国人あるいは東洋人特有の特徴がいくつかあるんです。だからこそ、僕たちは東西という2つの要素を融合して、まったく新しいジャンルを生み出しました。それを“K-POP”と呼ぶ人もいれば、“BTS”と呼ぶ人もいるでしょうし、東西の融合による“ハイブリッド・ミュージック”と呼ぶ人もいるでしょう。いずれにしても、それがたちのしていることなんです。昔のシルクロードについて考えてみると、東洋と西洋の人々が交わる巨大な交差点のようなイメージがありますよね。そこでは、いろんな品物が売買されていたかもしれません。こうした歴史は繰り返されると思いますし、何らかの新しくて興味深い現象が起きようとしているんです。大きな変化の中心にいることができて、とても光栄に思っています。

Translated by Shoko Natori

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