JINが語る、歌手としての義務と使命、BTS「Spring Day」に込めた想い

ーパン・シヒョク氏(HYBE創設者)について教えてください。彼の天才性は何だと思いますか?

(ニヤリと微笑みながら)多くは、運にあると思います。パン氏は、たちと出会ったことで自身の天才性に気づいたのです。その点で彼はラッキーでした。たち抜きでここまで来ることはできなかったと思います。彼の運の良さは、彼自身の天才性に依るところが大きいのではないでしょうか。ひとつ言えるのは、彼には未来を見据えて、かなり早い段階から流行に気付ける能力があるという点です。「これはたちがやるべきことだ、これは未来にとって良いことなんだ」と先が見えるんです。その点では、きわめて有能な人物だと思います。それに加えて、強運の持ち主でもあります。

ーJINはメンバーのなかでも最年長ですが、人は有名になるとその年齢で時が止まってしまうというジンクスがあります。というのも、その時点で日常生活がストップしてしまうからだそうです。ご自身としては、30代が近づいていることを自覚していますか? それとも、気分的にはもっと若いと感じていますか?

なんだか自慢話をしているみたいで、この質問に答えるのは恥ずかしいですね。でも、たちがキャリアのピークにいると思ったあらゆる瞬間のあとから、さらなるピークが次々とやってきた印象です。ですから、歳を重ねるごとに——何度も言うように、ちょっと恥ずかしいのですが——何度も頂点に到達できたと感じています。ですから、気分としては年相応です! 自分が29歳だという自覚はありますよ。

ーどこかでまた演技に挑戦したいという思いは?

絶対ない、とは言い切れませんよね。どちらかと言うと、流れと気分に身を任せるのが好きです。いまは本当に音楽が大好きですから、当然、心は音楽活動に向いていると思います。

ー「Spring Day」がグループ全体の成果であることは明白ですが、JINのパートがとくに感動的だと思います。レコーディング中に記憶に残っているエピソードは?

この曲にふさわしい心地よいセンチメンタルさというか、メランコリックな感じが出したかったんです。歌詞ができると、全員でテーマとレコーディングするときの雰囲気をどうするか決めました。楽曲全体に伝わるようにと、たくさんのいい思い出を振り返っていたんです。たとえば、連絡を取らなくなってしまった友人のことを考えながら、その悲しみを表現しようとしました。



ーBTSの楽曲の特徴でもあるヴォーカルパートの複雑な絡み合いは、どのようにして実現しているのでしょうか? どのようにしてパート分けを?

楽曲が完成すると、まずは全員で歌います。全員で1曲丸ごと通すんです。その後、どの部分がどのメンバー、あるいはどんなキャラクターに合うか? と考えて決めていきます。パートが決まれば、あとはそうしたイメージに合わせていくんです。

ー最後の質問です。練習生だった頃は、これほどの成功を思い描くことはできましたか?

あの頃は、1000人オーディエンスを集められれば、もう夢が叶ったようなものだと思っていました。それが当時のの目標でした。


Rolling Stone Japan vol.15
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:カルチュア・エンタテインメント株式会社
発売日:2021年6月25日
価格:1100円(税込)
photographed in Seoul on April 6th, 2021.

Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Hair by Han Som, Mujin Choi, Lim Lee young, Lee Da Eun. Grooming by Kim Da Reum, Seo Yuri, Kim Seon Min. Styling by Kyungmin Kim, Lee Ha Jeong, Kim Hyesoo, Hong Sil, Seo Hee Ji, Kim Hyunjeong. V’s jacket; Suga’s T-shirt; Jin’s top and necklace; Jungkook’s coat; RM’s jacket and necklace; Jimin and J-Hope’s shirts and jackets by Louis Vuitton.

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Translated by Shoko Natori

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