FBIは「おとりチャットアプリ」をどのようにして裏社会に浸透させたのか?

Anomは非常によく機能したと言える。50個ほどのデバイスでのベータテストを経て実用化されたAnomは、100カ国、300以上の犯罪組織で12000機ほどが使用されたと記録されている。ニューヨーク・タイムズ誌によると、ユーザーたちはデバイスを信用するあまり、メッセージを専門用語などを用いアナログで暗号化せず、重要な情報をオープンに共有しあっていたようだ。ドラマ『ザ・ワイヤー』のマクノルティ刑事さながら、捜査官たちはリアルタイムでメッセージのやりとりを監視していた。最終的には2700万通ものメッセージを傍受したようだ。

検挙は作戦期間を通して行われ続け、現在までの合計では800件にまで及び、今後もさらに数は増えると予想される。直近では、カリフォルニア州南部にて違法な物品の密売を行なっていた17人の外国人が逮捕されている。これに関し捜査当局は、32トンの違法薬物、250挺の銃器、55台の高級車に加え、総額およそ4800万ドルの現金、仮想通貨を押収したと発表した。

なぜ現段階でおとり捜査を公表したのか? ニューヨーク・タイムズ誌によると、オーストラリア政府により、すでに動き出している極めて危険な計画を阻止するため、作戦を公表する必要があったと発表されたようだ。また、捜査局の通信傍受機器等も刷新のタイミングになり、現段階でもすでに充分な量の証拠を集めることができたのも理由の一つとされる。

From:How the FBI Tricked Criminals into Using its Messaging App

Translated by Kazuhiro Ouchi

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