ちゃんみな、演劇やサーカス要素を取り込んだストーリー展開で魅せた中野サンプラザ

失意の中、ひとりで「Call」を歌うちゃんみなに、仲間たちが声をかけにやって来る。曲は「GIRLS」。だがその仲間たちも、ひとり、またひとりとライバルになびいていき、ちゃんみなはひとりぼっちになってしまう。彼女の地位は、サーカス団の清掃員にも無視されるほどまでに落ちてしまった。

みじめさは怒りに変わり、その身を蝕む。「GREEN LIGHT」を荒々しく歌い、「ルーシー」へ繋ぐと、4人のピエロがちゃんみなにしのびよる。ピエロたちは彼女に甘い言葉を囁き、宝箱を渡す。中には緑の薬が入っている。この薬を飲めば楽になるとでもいうように、ちゃんみなはそれを一気に飲み干す。


photo by 井手康郎

舞台が暗転し、音が消えたあと、ちゃんみなの激しい吐息と心臓の音だけが静かなホールに響く。

やがて「Needy」がはじまる。ステージには薬によるトリップを思わせる幻想的な映像が映される。ちゃんみなは横たわったままオーディエンスに向けて脚を広げ、淫靡で扇情的に歌う。そんな彼女の身体をいくつもの手が囲み、彼女の身体はまどろみの中に沈んでいく。長い、夢見るような「Needy」のアウトロ。その中に不協和音が混じり、不協和音は次第に無視できないほど大きくなり、やがてそれが空間を支配する。

Rolling Stone Japan 編集部

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