ジョン・メイヤー最新MVに見る、ガンズ・アンド・ローゼズの名曲オマージュ

一方でダディは、ナイジェル・ディックによって撮影された「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」のMVを見たことがなかったと語る。オープニングのカチンコの映像に加え、メイヤーのMVにも撮影セット上に犬が映るシーンがある。「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」ではガンズ当時のギタリストであるイジー・ストラドリンの「Last Train Home」ではメイヤー自身の飼い犬が登場している。シンガーたちがプロデューサー(「Last Train Home」ではメイヤーの次作『Sob Rock』を担当するドン・ウォズ)と何らかのやりとりをしている傍ら、美しいモデルの女性がカメラを構える。そして薄くもやのかかったフィルターを通して、どちらのビデオも淡い夢のような色調で撮影されている。


画像上部:ジョン・メイヤーのMV「Last Train Home」画像下部:ガンズ・アンド・ローゼズのMV「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」

ダディは「フィルターにソフトなエフェクトをかけ、今回のMVのようにカメラを動かすことはジョンのアイデアともよく合致していました。こうしたことで、細かいところに注意を促すような映画的な表現ができたと思います」と語る。もう一人の監督で妻であるハーパー・スミスは、本曲のバックコーラスを担当したカントリー・シンガーのマレン・モリスの登場シーンを撮影するためにナッシュヴィルまで出向いた。モリスはモニタースクリーン上でMVに登場しており、ここにも「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」へのオマージュが見て取れる。



ブルーノ・マーズの「Locked Out of Heaven」や「Uptown Funk」のMVでも監督を務めたダディは、メイヤーとバンドメンバーに対し、リアルを追求するために撮影の際にも実際にライブで演奏することを求めた。しかし、結果としてMVを印象づけたのは数十年前のまるで夢見心地な映像、アクセル・ローズとスラッシュへの数々のトリビュートだった。「今回のMVには1980年代の懐かしい空気感があります。それは暖かい毛布のようなものでしょう」とダディは語った。

From:Guns N’ Poses: How John Mayer’s New Video Nods to ‘Sweet Child o’ Mine’

Translated by Kazuhiro Ouchi

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