高田渡作品をベルウッド・レコード創設者と振り返る、老成した歌は若者にしか歌えない



田家:漣さんのこの歌を聴いて、どう思いますか?

三浦:人は愛する時に最も優れたリポーターになるって誰かが言ってた気がするんですけど、僕もそう思うんですよ。そういう意味では、漣ちゃんがリポートする渡さんは世界の誰も叶わないくらいすごいです。

田家:高田漣さんが高田渡さんをカバーしたアルバム『コーヒーブルース』は、この曲で終わっております。漣さんが受け継いでいるものはなんだと思いますか?

三浦:全てだと思います。僕は総合力で言うと漣さんが上だと思うんですよ。洗練されてるし技術も含めて。渡さんと比べる必要はないんですけど、渡さんのいいところを漣ちゃんは受け継いでいる感じがしますね。なので、渡さんの最高の作品の一つが漣ちゃんじゃないかなと。

田家:改めて、漣さんを通して高田渡という存在を知る人に対して、ここを知ってほしいとかこんな風に聴いてほしいという思いはありますか?

三浦:音楽もそうですけど、僕は、真っ当な生き方。正直で質素で、それくらいで十分だと思うんです。それを渡さんは地でいっている。真っ当な人だと思います。僕は美しく生きることに決めました。美しく生きるために必要なものは、質素・正直・思いやり。これしかないと思って生きています。

田家:わかりました。ありがとうございました。ゲストは、ベルウッドレコードの設立プロデューサー三浦光紀さん。お聞きいただいたのは、高田漣さんで「くつが一足あったなら」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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