高田渡作品をベルウッド・レコード創設者と振り返る、老成した歌は若者にしか歌えない

田家:はちみつぱいも三浦さんは手掛けられていて。彼らに対してはどう思っていましたか?

三浦:はっぴいえんどは優等生みたいな感じですけど、はちみつぱいはちょっと道を外れてヨレヨレの洋服を着て、音楽も非常にこなれているというか。はっぴいえんどは教科書みたいな演奏ですが、はちみつぱいはこなしているという雰囲気でいい感じだと思いました。

田家:さっきの三浦さんの家に皆が集まったりしていた話もありましたけど、写真集にもそういうミュージシャンがいっぱい出てきていました。皆さん若かったじゃないですか。当時ベルウッドにいた高田さんも20代前半ですよね。

三浦:ああいう老成した歌詞を歌ってるから子供だと思わないけど、よく考えたら皆子供なんですよね。不思議な時代ですよね。

田家:今と何が違うんでしょうね?

三浦:今ももちろん考えてるんでしょうけど、人生って何かを若いなりに一生懸命考えたんじゃないですか。僕もそういう時期がありましたし。なので敢えて老成した詩人の言葉を借りるのは必然ですね。

田家:若者文化なんだけど、若さじゃないところにも目がいっていた。

三浦:逆に言うと、ああいう老成した歌は若い人しか歌わないですよね。老成した人は歌わない。

田家:それは言い得て妙ですね。さて、三浦さんが選ばれた最後の曲は「くつが一足あったなら」ですが、こちらは漣さんがカバーされたものです。お聞きください。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE