登坂広臣が語る、華やかな表舞台で見つけた自分の「使命」とは?

愛を表現した「Give up」

―「Can You See The Light」はサウンド的には今までのソロの曲に近い印象だけど、さっき言っていた「色」みたいなところで言うと、色合いとかは全然違うなと思って。

例えば「ANSWER… SHADOW」は、深海の、光も音も無いような世界に行き着いた時に一筋だけ光が見える。それを手繰り寄せたいとか、心の内なる炎じゃないけど……そういうものをこの曲では描いていて、ある意味「ANSWER... SHADOW」と対になる曲なんです。だから必然的に強めのサウンドにもなるし、踊れるようなビートにもなるし、どちらかと言うとこの曲もイメージが先行でした。ミュージックビデオも(「ANSWER... SHADOW」とは)同じような世界観ですが、色の使い方が違ったり、炎も出てきたりとか。そういう、対になるような表現もしていますね。



―確かに「ANSWER... SHADOW」と「Can You See The Light」の2曲は根底では繋がっている感じがしますね。あと「Give up」と「Colorblind」は、サウンド的にはアブストラクトかつアンビエントな要素がありつつ、トラップ調のボーカルアプローチも新鮮で、新たな挑戦とも言える2曲ですよね。

「Give up」に関しては、EPの4曲の中で唯一“LOVE”の要素が入っています。ラブソングとは自分では思わないんですけど、このEPを通して、リリックに出てくる「あなた」「君」「YOU」といった自分の対象となる相手は、自分を応援してくれているファンに向けたものなんです。なぜファンなのかというと、『Who Are You?』の時にたくさんのファンの方に応援していただいて、その体験があったから自分の影に気づくこともできた。そういう意味でのアンサーでもあるので、そこの表現はすべてファンの人に向けているんです。「Give up」のデモも結構前からあったんですが、ラブソングを今回のEPで作る予定はなかったんです。でも何回も聴き返していたら、『ANSWER... SHADOW』の軸となるサウンド感を保ったまま、愛というものを表現する楽曲にはふさわしいのかなと思って、この曲も入れさせていただきました。



「Colorblind」に関しては、EPの作品を締めくくる一曲であるのと、次のアンサーシリーズは光の部分を表現したいと思っているので、その橋渡しになるような楽曲にしたいなぁっていうのもあって。4曲の中で唯一、いろんな色が出てくる。ラップに関しては、普段だったらちょっとメロディアスにしたり、ボーカリストってことを意識した歌っぽい表現にしているんですけど、この曲は素直にラップをやろうと思いました。僕がここまでラップするのってファンの方も聴いたことないと思うし、今まで開けてこなかった引き出しの一つを出せたかなと。




Photo by ティム・ギャロ

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