登坂広臣が語る、華やかな表舞台で見つけた自分の「使命」とは?

登坂広臣(Photo by ティム・ギャロ)



自分の声色を最大に活かせた「ANSWER… SHADOW」

―そういう感情やフィーリングを作品に落とし込んでいく際、一緒に曲を作っているクリエイターにはどうやってイメージを共有していくんですか?

「深海の底に落ちていくようなコーラスにしたい」「黒なんだけど……漆黒じゃなくて……」とか、音的にどれくらい重ねてとかそういうことよりも、情景や色で伝えていました。その後に「キックはもうちょい深い感じの音がいいかも」とか「スネアはもう少し軽い音がいいな」とか。思い浮かんだ画にどの音がはまっていくんだろうっていうのを一個一個合わせていってメロディにしてコーラスにして……っていう作業で完成した曲ですね。長年一緒にやっているチームなので、僕の感じもわかってもらっているし、「ANSWER… SHADOW」とはどういうものなのか、長い目で見た時にどういう作品になるのか、そしてどういうライブをしたいのかっていうところまで話しているので。

―表題曲の「ANSWER... SHADOW」はパッと聴いた感じバラードっぽい雰囲気もあるけど、これまでの似たような曲とは明らかに違う方向性というか、ボーカルのディレクションにめちゃめちゃこだわって作られたのかなと。実際どうだったんでしょうか?

ああいうサウンドで作ったからこそ、ボーカルもその世界にいかに合うものにするか、要はサウンドにうまく乗せられるかっていうのは、めちゃくちゃ考えましたね。いつも考えるんですけど、この曲ほど考えたことはなかったなと思うぐらい、自分の声の性質――低い倍音であったり、ファルセットの抜け方とか鳴り方とか、語尾の消え方とか――一音一音の細部にまでこだわりました。自分の頭の中で画が浮かんでいるぶん、画にハマる自分の声にしなきゃいけない。普段は逆なんです。自分の声色があって、その声が入った曲ができて、「これ、こういう映像だな」「こういうMVにしたいな」とイメージや映像が浮かんでいるんですけど。今回はイメージが先だったから、そこにどれだけ自分の声を近付けられるかみたいな感じは、初めての感覚だったかもしれないですね。



―じゃあ、かなり試行錯誤しました?

そうですね。その結果、この曲のボーカルは、僕の一番いい要素が出ていると自分自身でも思うんです。自分の声色を最大に活かせた曲だなって。僕の声はこれです、こういう倍音を持っています、こういう声質を持ったボーカリストですって言える。名刺代わりじゃないけど、自分はこういう人なんですって出せるようなものが詰まっている曲になった感じがします。

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