高田渡はなぜカメラに惹かれたのか? 高田漣と共に振り返る

魚つりブルース / 高田渡

田家:この辺の話は来週、再来週のゲスト三浦光紀さんにもお伺いしようと思っているのですが、レコーディングのゲストは細野晴臣さんと中川イサトさん。「魚つりブルース」には、フレッド・タケットがマンダリンを弾いて参加しています。

高田:のちのリトル・フィートですもんね。

田家:ええ。漣さんも『FISHIN’ ON SUNDAY』について、まだ調べたいことがあるとお書きになっていましたね。

高田:そもそもこのアルバムは他の父のアルバムと違って、ロサンゼルスに行く時点で曲ができていなかったんですよ。はっぴいえんどの三枚目のアルバムにも繋がると思うんですが、なんでもっと準備していなかったのかなと思いつつも、作りかけていたものがたくさんある気がしていまして。もっと録音の時の風景も含めて、色々調べてみたいところですね。

田家:はっぴいえんどの三枚目のロサンゼルス録音は、もともと高田渡さんが行く予定だったんですよね。写真集の中にはカリフォルニア・ビーチでの高田渡さんと細野さん、イサトさん、三浦光紀さんという人たちが写ってます。しかもカラーですよ。

高田:父が写真を撮り始めた時はもうカラーがある時代だったんですけど、基本的には白黒の表現にこだわっていたみたいで。そのことは自伝にも残してますね。どうしてか分からないですけど、あの時はカラーを持っていったんです。白黒は持っていってないんですね。ただ、図らずも写真集があそこでカラーになるっていうのがビビットな感じもするし、あの頃のカラーの写真ならではの光量というか。僕なんかにしてみると、描いている夢のカリフォルニアがあそこに写っている気がしますね。

田家:アメリカを撮るならカラーだと思ったんですかね?

高田:言葉は悪いですけど、そういう浅はかな思いがあったのかもしれないですね(笑)。普段の写真を撮るという意識よりは、レコーディングされた作品に残すものとしての写真という意味が多かったんじゃないかなと思います。

田家:なるほど。では最後に1曲、『FISHIN’ ON SUNDAY』から「漣」をお聞きください。

Rolling Stone Japan 編集部

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