ライブ中にしている「工夫」とは?
―瑠々さんが意識している音はなんですか?
段原 私はあんまり……聞こうとしてないです(笑)。
金澤 すごいねえ! 天才型なんだな!
井上 すごい! 感覚が鋭いんだ!
金澤 確かに瑠々がイヤモニの注文してるのとか見たことない。
段原 自分の前の人の歌を聴いてるかも(笑)。
金澤 ああ、すごい。歌詞のつながりね。なんでそれで外さないんだろう?
井上 でも、金澤さんも音感がすごくいいイメージがあって、それはベースを聴いてるからなんだと今の話を聞いて思ったし、モーニング娘。’21の小田さくらさんも金澤さんについて「本当に天才! リズム感がすごい!」って言っていて、私も「そうだよなあ」って思いました。
金澤 いやいや、小田さんに言われるなんて恐縮ですよ(笑)。
―瑠々さんも「Tiny Tiny」で中島卓偉さんから歌のリズムを褒められていましたよね。
金澤 いい。早取らないし、遅取らない。ちゃんと響くしね。
井上 いいところにアクセントが入ってくるから、「よしっ!」って思う。
段原 曲の雰囲気をなんとなくしか聴いてない……(笑)。
金澤 ピアノやってるからかな?
段原 ピアノは3歳からやってるので音感はそれで鍛えられたと思います。
金澤&井上 いいなあ~。
段原 あとは、小学校1年生のときにアクターズスクールに入って歌とダンスを並行してやっていたので、そのまま今につながっている感じです。
金澤 基礎がちゃんとできているんですね。
―やっぱり、ピアノってすごいんですね。
段原 ピアノはやったほうがいいなって思いますね。
金澤 そうね、やっておくべきだったよね……今さら(笑)。
―実はライブ中にこういう工夫をしているというエピソードはありますか?
段原 私はもともとそんなにクセがない歌い方で、特にスクール時代はどこにでもある声だと思っていたので、クセをつけたいというか、自分なりにアクセントをつけたり、ニュアンスをつけたりできたらいいなと思っています。声質はもともと持っているものだし変えられないので、歌いまわしで自分なりのよさを出したいと思って、(喉を)絞ったり、開いたり、裏返してみたり、そういうクセをどこで入れようか自分なりに考えて歌っています。
金澤 すごい……。
井上 私はハロー!プロジェクトに入る前から、自分の歌割りの前に歌っている人のクセを入れちゃうクセがあって。Juice=Juiceだと歌割りが自分の前の人とオリジナルの音源との両方が合わさって歌っちゃうことがあるので、自分なりに歌うように気をつけています。
―自然と吸収しちゃうんですね。
段原 いろんな人がいるねえ(笑)。
金澤 ねえ! 面白いわ~。逆に私はめちゃめちゃクセが強くて、初期はそのクセが嫌で、段原瑠々ちゃんとか松永里愛ちゃんみたいなストレートな歌い方にしたいってずっと思っていたんですけど、もともとの声質もあるし歌い方のクセもあるし、どうしても自分のクセを殺し切れないところがあったのですごく悩みました。でも、今は逆に自分自身が金澤朋子のモノマネ芸人になるというか、「金澤朋子ならどう歌うかな?」って一度考えてから、「ここはクセ強めにしよう」とか計算して歌うようになりました。デフォルメした金澤朋子、みたいな。セクシーな曲とか大人っぽい曲だと特にそういうことをやるようになりました。
―「私はこう歌おうと思ってるけど、金澤朋子はどうかな?」みたいな。
井上 あはは! 矢沢永吉さんみたいな(笑)。
金澤 「仮歌はこうだけど、こっちのほうが私っぽいかな」って考えるようになりましたね。