大久保伸隆が語る、辛さを抱えた人に寄り添う新作アルバム

ー7曲目の「未来」は、今作アルバムのために書き下ろした曲ですよね。コロナ禍をはじめ、こういう社会状況での未来への希望を歌ったような曲が最後に来て、作品全体のまとまりの良い終わり方になっていますよね。

「未来」は元々仮タイトルで決まっていたんです。今までの作品は、歌詞を作った後にタイトルを決めたんですけど、仮タイトルがそのまま採用されるというのはこれが初めてで。分かりやすいワードではあるんですけど、「未来」という言葉なら前を向ける歌詞が書けるかもしれないと思って作った曲ですね。結果的には、コロナ禍でも希望を持っていこうという意味に捉えて聞かれる方もいると思うんですけど、作ってる時は実は全く意識していなかったんです。歌入れの10日前に歌詞を作り始めたんですけど、無意識に一変した状況、当たり前のことが当たり前じゃなくなった、でも元に戻ってほしいという想いもあったので、そういう意識が歌詞にも表れたのかもしれないですね。世の中は昔よりもっと不安定で、ボタンのかけ違いのようにいろいろなものが崩れてきている気がするんです。そこから良い方向に向かってほしいという想いは作品に残したくて。

ーコロナに限らず、政治だったりSNSだったり色々な不安要素が蔓延している中で、希望がある未来を自然と描けなくなっていると思うので、こういう曲は必要だと思いました。

未来が必ずいいものになるかは誰にも分からない。でも、こうなってほしいっていう想いは皆それぞれあると思うんです。それを最後に歌詞に落とし込みたくて、デモ段階のアレンジでそういう歌詞はハマるんじゃないかなと思ったし、歌詞に取りかかった時は割と早く仕上がりましたね。実は今作には元メンバーの今井君がコーラスで4曲参加しているんです。この「未来」もメロディは彼が書いていて、僕が歌詞を付けてアレンジをして。最後に完成させたものを送ったら「とっても素敵でした」って返ってきました(笑)。

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