村井邦彦とともにアルファミュージックの創設期を振り返る

(スタジオ)

田家:ライブは2015年9月27、28日に東京は渋谷のBunkamuraオーチャードホールで行われました。この日は村井さんの古希をお祝いすることももう一つのテーマではあったんですが、単なるお祝いのコンサートという感じではなかったんです。出席者は、毎週紹介しておりますが、そういう人たちがプレゼンターとして所縁のミュージシャンを紹介する。そんな流れでした。そして、最後にはアルファに所縁のある人たちが、これまで亡くなった関係者を追悼するシーンがあったんですね。こういう洗練されたトリビュートコンサートは初めてだと思ったんですが、村井さんの仰ったように一朝一夕でできたものではなかったですね。村井さんはロサンゼルスにお住まいで、今回はこうしてリモートで参加されているんですが、生放送でインタビューすると、挨拶とか天気、そちらのコロナの状況は? みたいな話から始まります。録音番組なので、そういった部分はカットして肝心なところだけお聞きいただいております。

田家:ライブは2015年だったわけで、あれから丸5年半経っています。その間には色々な事があって、出演者の方が他界されたりコロナがあったり、村井さんも去年から新しい試みとして小説をお書きになってます。リアルサウンドというWebサイトで『モンパルナス1934〜キャンティ前史〜』という連載小説。これがおもしろいんです。主人公は川添紫郎(浩史)という人で、1960年に東京の六本木に伝説のレストラン「キャンティ」を作った方。アルファミュージックの創立は1969年の5月です。加橋かつみさんのソロアルバムのレコーディングはパリで行われて、川添象郎さんという有名なプロデユーサー、でロックミュージカル「HAIR」を日本に呼んだ、サブカルチャーの生みの親も参加されていました。川添さんが、日本にいる村井さんにパリに遊びに行かないかと電話をかけたところから始まっている。つまり、アルファミュージックの発端に川添象郎さんがいて、小説の川添浩史さんはお父さんなんですね。村井さんが思春期の頃から憧れていた方で、アルファミュージックのバックボーンがここにあるんだ、という連載小説なんですよ。今回のインタビューは、村井さんから小説の話もさせてほしいという事でその話もお聞きしました。インタビューの後は、加橋かつみさんがパリでレコーディングした、正にこれがなかったらアルファミュージックは存在しなかったかもしれないという曲「花の世界」をお聞きください。

Rolling Stone Japan 編集部

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