girl in redが「心の闇」を乗り越え、インディーロックの新しい主役に躍り出るまで

心の壁を壊すこと、愛し愛されるために

彼女はこのコンセプトをアルバム全体で表現しており、自分の死期を悟ることをテーマにした「Body and Mind」や、彼女の家の名前をとった「Apartment 402」では、それが特に顕著に表れている。「自分は長い間、この本当に小さな場所で過ごしてきた。このことが人生に何をもたらすんだろう?って」

そして彼女は続ける。「どこか別の場所へ行くということは、人によってはかなりハードルが高くて——特にベッドから出ることさえ面倒だと感じる人にとってはね。だからただ床に転がって、太陽の光に照らされた埃を眺めるだけ。行き詰まってしまう。なんか変な感じ。こうしてずっとあなたと話をしているのも」と言うと、彼女は突然話を止める。

「なんなの? 自分でも意味不明。私たちまだ30分しか話していないのに、もうマブダチって感じ」



誰かの不本意なセックスフレンドでいることを歌った、きらびやかで憂鬱な「midnight love」にはじまり、説明不要のロックソング「You Stupid Bitch」に至るまで、このアルバムには愛についての考察も少なからず含まれている。そして「I’ll Call You Mine」という曲についてマリーは、「誰かを信頼し、心を開いて、自分の壁を壊してもらって、相手にも同じようにさせること。それは愛し愛されるためで、決してあなたを傷つけることではないということ」と、話している。「この曲が自分のトレードマークとなって、何十年と歳をとっても聴き続けられる曲になればいい。パティ・スミスみたいにね」と、彼女は願う。

「今ちょうど、その曲のサビの部分で拳を突き上げてるところ」と言った彼女は再び、話をぶった切る。「ねえ、ちょっと待って! 今どんな風にしてるか見せたい」と言うや否や、黒かったスクリーンはグレーのパーカーをかぶり、ニヤりと微笑むマリーの姿で大写しになった。そうしてはじめてスクリーンに映し出された彼女の姿は、全く悪びれず堂々としたものであった。

From Rolling Stone US.




girl in red
『if i could make it quiet』
発売日:2021年4月30日(金)
配信:https://asteri.lnk.to/iicmigq

Translated by bacteria_kun

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