girl in redが「心の闇」を乗り越え、インディーロックの新しい主役に躍り出るまで

girl in redことマリー・ウルヴェン(Jonathan Vivaas Kise for Rolling Stone)

ノルウェー出身のgirl in red(ガール・イン・レッド)が、1stアルバム『if i could make it go quiet』を4月30日にリリース。2017年の楽曲「I wanna be your girlfriend」で注目を集め、先行シングル「Serotonin」はビリー・アイリッシュの実兄であるフィネアスがプロデュースを担当。デビュー作が生まれるまでの過程を本人が語った。

現在22歳のgirl in redことマリー・ウルヴェンは、ニューアルバム『if i could make it go quiet』についての話の途中、ふと謝罪しようとしたのをやめた。それは自分が早口で話しすぎていると感じたり、聞き手が自分の話を理解できているか不安なときに発する類の声だったのだが、すぐに「ごめんとは言わないよ」ときっぱり言った。「なんでもかんでも謝る人間にはなりたくないんだ。悪いとは思ってないし」。マリー、君はそれでいいんだ。それでこそ主人公! マリーとの対話はオスロからのZoomでカメラをオフにして行われていたが、彼女の個性は距離と時差を越え、画面に亀裂を走らせていた。

小気味よく饒舌で、皮肉な自虐屋、そして本人曰く「境界線がすごく苦手」というマリーは、これまでリスナーたちの不安や慕情に訴えかけ、インディーロックの世界に自分の居場所を築いてきた。彼女のgirl in redとしてのペルソナ——ビリー・アイリッシュの自覚的な怒りと、2000年代初頭のカレッジ・ロックのヘルシーな瑞々しさがミックスされたような——は、メンタルヘルスと叶わぬ恋に等しく向き合っている。このコンビネーションによってマリーは、TikTok世代、そしてTikTokの使い方を理解できない年齢層の両方からの支持を得ることになる。彼女は30代の筆者に向かって「TikTokをやっていると流行に敏感でいられるよ——自分の情報を中国に売ることだってできるしね」と冗談めかして言った。



マリーはオスロ郊外の小さな街で育ち、8歳の頃から曲を作っていたという(オリジナル曲をシャワー中に歌っているのを姉がiPhoneで録音していた)。作曲に目覚めたのは14歳でギターを手にしてからで、堅信の祝金でMacBookを買った2014年頃に本格的に音楽制作をスタート。デヴィッド・ボウイやスミスのような定番ナンバーに魅せられて、マリーはコンピューターとギターを手にした子供たちがいずれ行うこと、つまりオンラインに曲を投稿し始めた。そして2018年、「i wanna be your girlfriend」ーー友達以上の関係を築くためのファジーな頌歌ーをYouTubeにアップロードすると、当時10代だった彼女は一気に注目を集めるようになる。

「すごく疑り深い人間なんだ。お父さんが警官だからかも」と、マリーは直後に舞い込み始めたオファーについて語っている。「2018年の最初の数カ月は、すごく濃密で、本当にエキサイティングだった。お母さんは私が仕事関係のミーティングをするのを嫌がっていたけどね。高校卒業も間近だったから」

結果的に高校は卒業したものの、オスロに引っ越して、同年にカレッジは中退。そして「i wanna be your girlfriend」に加え、意外な溌剌さを感じる「summer depression」を収録したEP『chapter 1』を、続く2019年にはアップビートで抜きんでたトラック「bad idea!」と、楽しげで不気味な「dead girl in the pool.」を収めた『chapter 2』をリリースした。

Translated by bacteria_kun

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