フラワーカンパニーズ、32年目の“バンドがあってよかった”夜

中盤のMCでは結成32年についてのトークで「ハタチのときに……」と語り出した鈴木に、「正確にはまだ19歳ね」とマエカワから訂正が入り、鈴木は「19歳。いまはなき、名古屋市天白区のロイヤルホストではじめて顔を合わせてから32年。続くと思わなかったね」としみじみと振り返る。マエカワ曰く、「本当は結成もしてない」そうで、当初はスタジオに入りそれぞれが好きな曲を演奏してオリジナルを作るようになり、ライブを行い、カセットテープを作り、それがソニーの発掘担当者の耳に入り、「キミたち良いグルーヴだよ」と声を掛けられたことからデビューへとつながったという。

「俺たちは“グルーヴってなんだろう?”って。グローブしか知らんかったから(笑)」と、マエカワのダジャレが炸裂。鈴木が春めいたピンク色のオーバーオールを指さすと、「どんだけ今日を楽しみにしてウキウキしてたかわかるでしょ? 昨日、自分でアイロンかけたからね。早く起きちゃって2時間ぐらいしか寝てないんだから」との告白に、観客は笑いと共に大拍手。

さらに、鈴木が「もしもあのとき、フラワーカンパニーズをやってなかったらどういう人生を送っていたか?」とメンバーに聞いていくと、「ナゴヤドーム(バンテリンドーム ナゴヤ)に65試合ぐらいいるんじゃないかな? 職種はわからんけど」(マエカワ)「なるべく人に接しない仕事をしてると思う」(竹安)「世の中に出てリーダーシップを取りながら印刷会社で部長ぐらいまで登り詰めて…… ただ東京に来て15kgぐらい痩せたから東京にきてよかったです」(小西)と、者三様のパラレルワールド(?)を披露。

そして鈴木についてはマエカワが、「フラカンやってなかったら君はソロシンガーやってたんじゃない?」と語り掛け、鈴木は「本当、よかったなあ、バンドがあって。“生きてます”って感じだもんね。どうもありがとう!」と、お客さんに感謝。もしフラカンをやってなかったら…… と言われても、聞いている方は全然想像できなかったので、やっぱり4人はなるべくして「フラワーカンパニーズ」になっているのだろう。

Rolling Stone Japan 編集部

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