フラワーカンパニーズ、32年目の“バンドがあってよかった”夜

鈴木の「リキッドルーム! 最後までよろしくー!」との第一声から、竹安が思いっきり豪快にSGをかき鳴らして、「揺れる火」からライブがスタート。2020年12月にリリースしたニューアルバム『36.2℃』のオープニングを飾る曲だ。力強い小西のドラム、マエカワの躍動感溢れるベース、ステージ前に身を乗り出して歌う鈴木。フラカンをライブハウスで観ることができる喜びが冒頭から溢れんばかりに感じられた。

続く「いましか」では、小刻みに身体を揺らしていた観客がコーラスに合わせて右手を高々とステージに向けて突き上げる。ダイナミックかつ心情をリアルに描いた楽曲に早くも胸が熱くなる。



空気一変、「最後にゃなんとかなるだろう」では、会場中が弾けるように跳ねながら踊っている。「モンキー」はファンキーなギターリフ、ダンサブルなドラム、ベース、鈴木のブルースハープが絡み合い、赤いライティングも相まって最高にロックな瞬間だった。

MCで「今日でフラワーカンパニーズは32歳になりました!」と鈴木が告げると、会場中割れんばかりの大拍手が贈られた。ノイジーでオルタナティブなサウンドアプローチの「DIR OR JUMP」、「産声ひとつ」「丑三つのライダー」など、序盤は豪快にビートを叩きつけるダイナミックな楽曲が際立っていた。そんな流れの中で「深夜高速」が始まると、ファンは大切にじっと噛みしめながら聴き入っている様子だった。

Rolling Stone Japan 編集部

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