米銃乱射事件で注目集める「大きいお友達」の極右過激派たち

ブロニーが尊重するもの

報道に関していえば、ブロニーのファンカルチャーに過激思想寄りの部分があるのは否めないものの――どんなファンカルチャーにも間違いなく言えることだが――FedEx銃乱射事件を口実に、ブロニー全体を誹謗したり、このサブカルチャー自体問題だと決めつけるのは公平ではないことは留意しておくべきだ。「ブロニーへの興味と、特定のイデオロギーへの興味の間に何かしら特別な関連があると決めつけるのは、私も気が引けます。むしろ状況的な相関関係によるものだと思いますよ」とギルバート教授も言う。「ブロニーの集いの場となったインターネット空間は、いかにもイデオロギー的なコミュニティがはびこる温床でもあります。こうした空間に集まる人々は、ブロニーであれその他コミュニティであれ、目の前のものに惹かれる傾向があるのは明白ですよ」。さらに彼女は、「白人中流階級のストレートな独身男性が多く集まるような、男性的な視点を強調する空間は、えてして特定の思想へ惹きつける場合があります」とも指摘した。

オルシーニ氏もブロニーをひとくくりにしてはならないと警告している。「ブロニーの大部分は、肯定的なメッセージを発信する色彩豊かなアニメを楽しむ、ごく普通の人たちです」とオルシーニ氏は言い、フェデックス銃撃事件の犯人が温めていたとみられる考えは「ブロニーが何よりも尊重している価値観とは正反対です」と付け加えた。ブロニーが尊重するもの、それはすなわち愛と友情、寛容だ。

【関連記事を見る】米議会襲撃、白人至上主義者がヴァイキングと北欧神話に傾倒する理由

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE