BABYMETAL十番勝負、日本武道館の舞台で彼女たちが見せたもの

BABYMETAL(Photo by Taichi Nishimaki)



十音の鐘の音がBABYMETALの新たな旅立ちを祝福

歓喜と感涙の空気に包まれた武道館公演も、ついに後半戦に突入。ここまでは1stアルバム『BABYMETAL』から2ndアルバム『METAL RESISTANCE』で表現した世界観を、より成長した今のBABYMETALが現在進行形の表現方法で魅せていく構成だったが、続く「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」と「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」では最新型のBABYMETALが余すところなく届けられる。作品を重ねるごとに、ヘヴィメタルを拡大解釈して自己流のスタイルへと進化させてきたBABYMETALだが、この2つのキラーチューンからはひとつ完成の域に達した感すら伝わる。さらに、このあとによりビルドアップした「メギツネ」「KARATE」が続くことで、彼女たちの成長、進化、独自性の確立がより理解できることだろう。もちろん、ライブならではのエンタテインメント性も忘れないのが彼女たち。「メギツネ」では客席を1周する形でのウェーブヘドバンをオーディエンスに促し、より強い一体感を得ることに。天井に日の丸の側が掲げられた武道館で披露する「KARATE」では、クライマックスで全員がジャンプすることで高揚感も増していく。そんな流れを受けた「ヘドバンギャー!!」では、クライマックスと言わんばかりに会場がヘドバンの嵐と化す。声こそ上げられないが、その場にいた誰もがこの日一番の歓声を、それぞれ心の中で上げたことだろう。

世界各国で収録された「BABYMETALコール」が鳴り響く中、ハンドクラップでその“コール”に加わる武道館のオーディエンス。みんなの気持ちがひとつになったところで、満を持して披露される楽曲が「THE ONE」というのも出来すぎだ。ブルーのレーザーが飛び交う幻想的な空気の中、マントを着用したBABYMETALとアベンジャーズの3人は、スケール感の大きな演奏とともに伸びやかな歌とパフォーマンスを提示。オープニングこそ密教の黒ミサ感が強かったが、ここまでくると心洗われる神聖な儀式のようにも感じられる。

そんな神聖な儀式=最後の聖戦にも、ついに終わりを迎える瞬間が訪れる。スクリーンに表示された「THE LAST STAND」の文字に続いて、1月から始まった『10 BABYMETAL BUDOKAN』の最終公演、そしてBABYMETALが長きにわたり戦い続けた“METAL RESISTANCE”の最後に放つのは、キラーチューン「Road of Resistance」だ。イントロのギターフレーズをシンガロングしたい気持ちをグッと堪えて、高く掲げた拳と心のシャウトで応戦すると、“史上最大で最後の戦い”の火蓋が切られた。コロナ禍以前には当たり前だった“ウォール・オブ・デス”こそ封印されたものの、会場の熱気はピークに達したと言っても過言ではない。それくらい熱さの伝わる、激しいパフォーマンスが目の前で展開されていく。SU-METALは全身全霊で歌を届け、MOAMETALはかつてないほど激しいダンスで熱を放ち続ける。常に現在進行形で“BABYMETALの今”を我々に提示してきたが、この日ばかりはどこか集大成的な空気も伝わる。それくらい、今回の「10 BABYMETAL BUDOKAN」では10年間にわたる成長物語の、ひとつの到達点、ひとつの答えを見せられているような気がしたのだ。その要因のひとつとして、SU-METALが曲終盤に口にした「10 BABYMETAL BUDOKAN」ファイナルを迎えられたことへの感謝、会場のファンや世界中のファンへ向けた感謝の言葉も大きかったように感じる。

ラストには、“METAL RESISTANCE”全10章を象徴する紋章が描かれた銅鑼10枚がステージ外周に登場し、SU-METALがこれらを1枚ずつ叩いていく。叩くたびに、耳をつんざくような爆発音が会場中に響き渡る。まさに終焉へのテンカウントのようでもあり、お約束となった「We are!!!」「BABYMETAL!!!」のコール&レスポンスを経て最後の銅鑼を力強く叩くと、その爆音とともに会場が暗転。エピローグとなる映像が流れ、“METAL RESISTANCE”10年の戦いに幕が下ろされ、十音の鐘の音がBABYMETALの新たな旅立ちを祝福し、彼女たちが“LIVING LEGEND”へと歩み始めたことが告げられた。

終演後には、『10 BABYMETAL BUDOKAN』“DOOMSDAY - I〜X”の選りすぐり映像を特別編集した『10 BABYMETAL BUDOKAN WORLD PREMIERE』を、6月26日21時から世界最速配信することも発表された。次のアクションについては、まさに「Only the FOX GOD knows」といったところだ。“LIVING LEGEND”への第一歩を踏み出したBABYMETALが今後、どういった形で我々の前に姿を現すのかはわからないが、今はこれまでの功績を振り返りつつ、全力で戦い抜いた彼女たちに賞賛と感謝の言葉を送りたい。

【画像を見る】激闘!「10 BABYMETAL BUDOKAN



【関連記事】歴代最高のメタルアルバム100選

BABYMETAL
10 BABYMETAL BUDOKAN
日本武道館
[DOOMSDAY ‒ Ⅸ] 2021年4月14日(水) OPEN 17:00 / START 18:30
[DOOMSDAY ‒ Ⅹ] 2021年4月15日(木) OPEN 17:00 / START 18:30

01. BABYMETAL DEATH
02. イジメ、ダメ、ゼッタイ
03. ギミチョコ!!
04. ド・キ・ド・キ☆モーニング
05. GJ!
06. NO RAIN, NO RAINBOW
07. Distortion (feat. Alissa White-Gluz)
08. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
09. メギツネ
10. KARATE
11. ヘドバンギャー!!
12. THE ONE
13. Road of Resistance

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE