江口洋介が語る、やり切った『るろうに剣心』と家庭円満の秘訣

Rolling Stone Japan vol.14掲載/Coffee & Cigarettes 27| 江口洋介(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。映画『るろうに剣心』で江口洋介が演じるのは、くわえタバコがトレードマークの斎藤一。待望の最終章『The Final/The Beginning』公開にあたり、役作りの裏側や日常の過ごし方などについて語ってくれた。

Coffee & Cigarettes 27 | 江口洋介

「今はもう“やり切った”という気持ちでいっぱいですね」

そう言って江口洋介は、あの爽やかな笑顔をこちらに向けた。累計125億円突破を誇る大ヒット作、『るろうに剣心』の最終章『The Final/The Beginning』が遂に完成。それぞれ4月23日、6月4日に公開されることが決定した。本作は、明治初期に日本で起きた架空の出来事に焦点を当て、かつて暗殺者であった緋村剣心という流浪人の物語を描いたアクション感動超大作映画。和月伸宏による原作が誕生してから四半世紀以上過ぎた今も、国内外に熱狂的なファンを持つ人気シリーズだ。

「第1作目からもう9年くらい経っているんですよね。長い間携わっている作品だったので、やっているうちに反響もどんどん大きくなっていって。原作ファンはもちろん、映画で初めて『るろうに剣心』を知った人たちにも楽しんでもらえるよう、予想を毎回超えていかなければというハードルとの戦いでした。それが相乗効果となって、よりいい作品になっていったんじゃないかと思いますね」

>>関連記事:佐藤健が語る、『るろうに剣心 最終章』とステイホーム:「役者人生で一番の作品」

江口が演じる斎藤一は実在の人物。元々は新選組の一員で、明治維新後は警察官となって政府の密偵として暗躍していたという。佐藤健が扮する主人公、剣心の好敵手として全シリーズに登場する斎藤一。架空の世界で実在の人物を演じる醍醐味はどこにあるのだろうか。


©和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

「聞くところによれば斎藤は、新選組の中でも一番ヤバい人物だったらしくて。ちょっと猟奇的なところもあったという説もあるんですよね。そういうことを、特に『The Beginning』で新選組時代の斎藤を演じるときには意識していました。『るろうに剣心』シリーズが始まった当初は実在の斎藤を基にした役作りをしていたのですが、原作ファンからの要望もあり徐々に髪型や体型などをキャラクターに寄せていって。『るろうに剣心』はアニメーションを実写化した作品の中で、一番の成功例という自負もありましたからね。おかげで製作費もどんどん増えていくわけで(笑)、僕らとしてもやりがいがあるんです。一つひとつのセット、ロケ現場での作り込み、そのスケール感がものすごいから、そこへ行けばすぐにキャラクターになり切れるんです」

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