本編最優先だからこそ、想像の幅が広がる
ーでもそういう現場を共有できたら、作品への思い入れも変わってきますよね。
佐藤:僕は音楽的な関わりが主なので、実際どうだったのかは外からの視点でしか分からないんですけど、まあないですよね、他に。このよくわからない体育会系な雰囲気は。さっき言ってた部活じゃないですけど、よーし、高校総体出るぞ、全国いくぞ、みたいな、そんな空気感(笑)。本当に採算取れんの?みたいな中で、いい、やっちまえ!って。自分も自腹で行きましたもん、佐賀。
今福:あ、その節は……(笑)。
佐藤:で、仕事して帰ってきましたもん(笑)。
今福:本当にお世話になりました(苦笑)。
佐藤:曲をレコーディングしてミックスしてるエンジニアが、ライブのマニピュレーターもずっとやってくれていて、彼にこうしといてああしといてみたいな話をしてたから、そんなに心配はないかなと思ってはいたんですけど、ただやっぱ、行きたいなという気持ちと、心配だなという気持ちで、うーんこれどうしよう、もういいや、俺も行く!って(笑)。
今福:結果的にむちゃくちゃ助かりましたからね。はじめからお願いしとけやっていう(笑)。
ー話を伺いつつあらためて考えてみると、そういうチーム感というか団結力みたいなのは、今回の続篇にもいい影響を与えてるんじゃないですかね。
佐藤:そうですね。あとこの作品、本当だったらもっといろんな派生展開してるはずなんですよ。それがほぼないじゃないですか(笑)。その中で突っ走るってなかなかですよね(笑)。
今福:横ではなく、前しか見ずに走ってる感じはあります(笑)。
佐藤:やっぱり大きい作品は、そういうビジネス的なところは上手にされるじゃないですか。あれは本当にすごいなと思うけど、そういう動きがほぼないんですよ。
今福:偏りがすごいですよね。
佐藤:例えば、アイアンフリルでのサブストーリーとか作って、それで楽曲展開もできるんじゃない?ってよく話したりするんですよ。でもそれってどうなんだろうねっていってその話は終わるんですけど、仮にビジネス的な目線が強ければ多分そこで終わらないと思うんですよね。
今福:あってもおかしくはないですね。
佐藤:それでシングルもう一枚出すとか、それこそ過去のストーリーで、例えば愛の時代のアイアンフリルで一枚アルバム作ろうかとか、あとはキャラソン的な立ち位置でイメージソングみたいなのも沢山作って展開するかって話もあると思うんですけど、今のところそういう話は一切ないですからね。男気に溢れてる(笑)。
今福:いい表現をしてくれてありがとうございます(笑)。
佐藤:もうメインストリームしか走りません!って。
今福:本編最優先!みたいな。
佐藤:だからそのおかげで、好きになってくれた方々の妄想が働くというか。こんなことがあったらいいのにとか、そういうのをいっぱい想像してくれてるから、それはそれで面白いなって。