グレタ・ヴァン・フリート、ロックの救世主が手にした「映画的な傑作アルバム」を考察

グレタ・ヴァン・フリート(Photo by Alysse Gafkjen)

2019年にグラミー賞を受賞したアメリカの4人組バンド、グレタ・ヴァン・フリートが待望のニュー・アルバム『The Battle At Garden’s Gate』をリリース。日本のロック・ファンとも相思相愛の関係を築いてきた彼らの新境地を、音楽ライターの荒金良介が考察。

グレタ・ヴァン・フリートの2ndアルバム『The Battle At Garden’s Gate』がとにかく素晴らしい。一度目に聴いた衝撃もさることながら、聴き返すたびに感動は膨らむばかりだ。早くも2021年を代表する作品と言いたい。先行MVが「My Way, Soon」、「Age Of Machine」、「Heat Above」と公開される中、そのどれもが斬新な映像描写でファンの好奇心を煽り続けた。特に「Heat Above」はメンバー4人が中世貴族のような白装束に身を包み、時代や流行を超越したアーティスティックな雰囲気を放っている。また、先行で聴いたそれらの楽曲たちがアルバム内に収まると、新たな命を吹き込まれたように輝きが増していることに気づく。1曲1曲のクオリティはもちろん、作品のトータル性においても隙のない傑作が誕生した。



「レコーディング中に、アルバムのタイトルとテーマのアイディアは色々と出し合ってた。それで、アルバムの半分の曲ができた頃に、これはすごくシネマティックなアルバムになるって分かったんだ」(ダニー・ワグナー:Dr、以下発言同)

屋台骨を支えるダニーの言葉を借りれば、「映画的な作品」ということになる。そのキーワード一つ取っても、バンドが以前とは全く異なる視点を獲得したことがわかる。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE