歴代最高のメタルアルバム100選

ローリングストーン誌が選ぶ歴代最高のメタルアルバム100選(Photo by Rolling Stone)



70位 - 66位

70
デス
『Human』 1991年

本質を失うことなく進化した4th

デスのフロントマン、チャック・シュルディナーは初期の活動でデスメタルの確立に大きく貢献した。その後、ポール・マスヴィダル(Gt)とショーン・レイナート(Dr)というジャズフュージョンに夢中だった2人を迎えた4作目で、彼らは初期デスメタルのエネルギーとプログレ譲りのテクニックを融合させ、意外ともいえる成長を遂げている。シュルディナーの苛立ちのこもった唸り声に加え、驚くほど緻密なアレンジも秀逸。後年にはゴーガッツやクリプトプシー、フェイスレスなどがデスメタルの複雑な定義をさらに拡大させてみせたが、このアルバムは本質を失うことなく進化したヘヴィミュージックの好例として記憶されている。H.S.



69
サウンドガーデン
『Louder Than Love』 1989年

メタル的側面をより明確に示した2nd

「Black Hole Sun」でメインストリームに殴り込む5年前、サウンドガーデンは商業的成功とは無縁のバンドだった。初期の彼らはパンクとメタルを融合させた原初療法的サウンドを特徴としていたが、この2作目はメタル的側面をより明確に打ち出している。ハイライトである「Gun」では、イントロのスラッジリフが貨物列車のごとくスピードを上げていき、クリス・コーネルが不吉なラインを歌い上げ、メタル魂全開で「クソくらえ」とシャウトする。本作はブラック・サバスが当初イメージしていたスリリングで恐ろしいメタルを体現しているのと同時に、メタリカによる最大のヒット曲「Enter Sandman」のリフに影響を与えたことでも知られる。K.G.



68
マリリン・マンソン
『Portrait Of An American Family』 1994年

セックスと社会的逸脱の悪臭

「俺はファックの神だ!」。本デビュー作に収録された「Cake and Sodomy」冒頭で囁かれるこのフレーズ以上に、脅威を感じさせるステートメントが存在するだろうか? 性的偽善と宗教によって神をからかうという冒涜行為はマリリン・マンソンの十八番であり、『マリリン・マンソン自伝: 地獄からの帰還』において彼は同曲を自身のキャリアにおけるターニングポイントと位置づけている。本作に薄ら笑いのような不気味さをもたらしているのは、トレント・レズナーのプロダクションとNINのメンバーたちによる演奏。セックスと社会的逸脱の悪臭だけでなく、ホルモンの分泌が盛んになり始めた子供たちを夢中にさせる媚薬のような魅力がある。J.D.C.



67
クイーンズライチ
『Operation: Mindcrime』 1988年

野心的なコンセプトアルバム

クイーンズライチの3作目となる野心的なコンセプトアルバムは、発売から30年以上が経った今でも不思議なほど時代を感じさせない。人を殺すよう教えられた修道女の命を救おうとする殺し屋の言葉には現代のビデオゲームのようなドラマ性があるし、アヘン中毒や宗教的堕落といったテーマもストーリー性に富んでいる。主役はフレディ・マーキュリーとロブ・ハルフォード、バウハウスのピーター・マーフィーを融合させたかのようなヴォーカルを聴かせるジェフ・テイト。腹の底から絞り出すような唸り声、鬼気迫るバリトン、ガラスが割れそうなハイトーンなど声色を使い分けながら、彼はアルバムの登場人物とストーリーに命を吹き込んでみせる。T.B.



66
デフトーンズ
『White Pony』 2000年

騒乱とメロディを共存させる術を確立

シューゲイズとトリップホップとメタルを融合させるという、前代未聞の離れ業をやってのけたデフトーンズの3作目は、2000年以降のロックの軌道を大きく修正した。フロントマンのチノ・モレノ、堅固なギタリストのスティーヴン・カーター、ターンテーブルとシンセ担当のフランク・デルガドを軸とするバンドは、本作で騒乱とメロディを共存させる術を確立。紗を重ねたかのようなアンビエンスは、抑制の効いた歌声から脅迫的なシャウト、甘く危険な官能性まで、ヴォーカリストとしてのモレノの魅力を最大限に引き出し、「Passenger」ではメイナード・ジェームス・キーナンによる不穏なスポークンワードが、モレノの存在感を一層際立たせている。S.E.



Translated by Masaaki Yoshida

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