地下室の人食い殺人鬼、出会い系アプリに潜む恐怖

ケヴィン・ベーコンさんが地下室で遺体で発見された数日後の2020年1月上旬、マーク・ラタンスキーの自宅を囲む警察の立入禁止テープ(Photo by Ryan Garza/© TNS/ZUMA)



ミシガン州で暴行罪は最長10年の懲役刑

とはいえ、たとえ警察が捜査を行っていたとしても結果は変わらなかっただろうと言う者もいる。暴行事件、特に被害者が追及に積極的ではない場合は起訴するのが難しく、刑も短いことが多いからだ。ミシガン州で暴行罪は最長10年の懲役刑と5000ドルの罰金を言い渡されるが、被害者の協力なしでは罪に問われる確率が激減する。

「1回目の時に調べていれば3回目の事件は起きなかったと主張する声は絶えませんが、その主張は様々な勘違いを基にしています」とメリーランド大学キャリー・ロー・スクールでジェンダーに基づく暴力について教えるリー・グッドマーク教授は言う。「その一つがもし逮捕されれば起訴され、起訴されれば有罪判決が下り、有罪判決が下れば服役し、他に関わった男との接触を試みないほどの長期間投獄されるだろうというものです」だが、もしラタンスキーがすぐに逮捕されていればどうなっていたか、今となっては知る由もない。

【画像を見る】睾丸を揚げて食べたと話す食人鬼、マーク・ラタンスキー

ランシング・ステイト・ジャーナル紙によると12月27日の夜遅く、警察がラタンスキーの家を訪ねると、革製の腰巻を履いたラタンスキーが玄関に出た。特に焦る様子もなく家宅捜査に応じたと地元紙は報じている。警察が地下室でベーコンさんの遺体が吊り上げられているのを発見するとラタンスキーはすぐに容疑を認め、黙秘権の告知をされるとベーコンさんの血と骨を庭に撒く肥料に、肉はジャーキーにしようとしていたと話した。(地元紙によると殺害から数日後に食品乾燥器が郵便局に届けられた)その間に睾丸を揚げて食べたと供述。殺人と死体損壊の罪で逮捕された。初めはウィルク・オリコス・ヴィルカスと名乗ったが、その後ウェールズのトーマス氏族のエドガー・トーマス・ヒルと名乗り、最終的に保身のため本名を名乗った。

若い男の殺害と食人で逮捕される遥か昔、ラタンスキーは普通の生活を送る4児の父だった。デモイン・レジスター紙によると1991年に大学を卒業した後ダウ・ケミカルでインターンとして勤務し、4年後にアイオワ州立大学で化学の修士号を取得。2001年に結婚した元妻は離婚裁判所で判事にラタンスキーは多い時に年間で10万ドル以上稼いでいたと報告した。しかし精神衛生に問題が生じ始め、2010年と2012年に医師による診断を受けている。デモイン・レジスター紙が入手した調書には「深刻で慢性的な回帰性の精神病性大鬱病、鬱による適応障害、妄想型統合失調症から来る社会不安症、及び境界性パーソナリティ障害」を患っていると記録されている。2013年に離婚。元妻によると服薬を拒み、効果が切れると情緒が不安定になり、スプラッター映画を観たり子供たちのペットを処分すると脅したりしていたという。

「被告人は複数の国家が関与している陰謀論に強く固執しており、複数の信託財産も関わっている」とラタンスキーの弁護人は精神鑑定を請求する書類に記している。

Translated by Mika Uchibori

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