ミック・ジャガーが激白、陰謀論者と反ワクチン派は「議論しても無駄」

ミック・ジャガー(Photo by Michael Hickey/Getty Images)


「Eazy Sleazy」が生まれるまで

―どのような経緯で曲ができたんですか?

ミック:歌詞は速攻で書いた。パンデミックそのものや、パンデミックから脱け出したいという思い、トンネルの向こうに見える光を歌ったコーラス部分。なかなかいい出来だった。それで「これは今すぐ出さなきゃ、3カ月、6カ月経ってからじゃ何の意味もない」と思った。「本当にすごいヤツとやりたい、自宅から作業してくれるやつと」ってね。デイヴとは前から知り合いだったし、(フー・ファイタイターズが)アルバムを出したばかりだったから、彼が暇してるのは分かっていた。「デイヴ、興味あるかい?」と電話すると、彼は(アメリカン・アクセントまじりで)「ああ、暇を持て余してたんだ!」「アルバムを出したばかりだもんな」「本当暇でさ! やるよ! 仕事したいんだ!」 それで俺は「わかった、曲を送るよ」と言った。そのあとはあっという間だった。激しいロックだったから、デイヴも気に入った。俺も激しいのが好きだから、いい感じになった。

―そもそもあの曲を書こうという気になったきっかけは? 何か特定の出来事を目にしたからですか、それともこの1年間に感じたフィーリングからでしょうか?

ミック:最初に歌詞をいくつか書いて、そこから空白を埋めていった。でもそうだな、去年1年間を振り返ったのがきっかけだ。精神的にも肉体的にも社会にのしかかる重圧さ。俺たちは1年ずっとこうして過ごし、その間いろんな感情を味わって、見切り発車しては立ち止まり、規制を緩和しては都市封鎖を繰り返してきた。(笑いながら)去年の夏の終わりはすべてが順調に見えて、みんな外を出歩いて最高だった。それが、とくにヨーロッパでは再び都市封鎖されて、社会的交流は一切できなくなった。みんな長いことそれに耐え忍んでいる。(それに)学校に行けなかったり社交生活が送れなかったりで、人々や子供たちも精神的に深い影響を受けている。これから先(長期的に)どうなるか、見当もつかない。


Photo by Bryan Adams

―あなた個人はいかがでしたか? パンデミックの間、どんな気持ち、どんな精神状態でしたか?

ミック:ひたすらじっと耐えていたよ。最初は数週間で終わると思っていたのが、こいつはかなりあっという間に悪化する(だろう)という気づき(が訪れた)。それから長期戦になることに気づき、「ここからは様子を見よう、こればっかりはどうしようもない」となる。「もしかしたら不便を感じるぐらいだろう」という状態から「この世の終わり」という状態(に変わっていった)。今じゃ死神が世界を闊歩して、胸を痛めている。もちろん自分もその数には加わりたくないから、安全には気を付けている。

一部の場所では本当に辛い思いをして、俺たちのような恩恵にあずかれていない人々もいる。右往左往して、順応しなくちゃならなかった。たしかに俺は大半の人よりもラッキーなほうだ。これほど長く国内にいたことはないね。いつも何かしら国外に行く理由があった。都会のアパートに閉じ込められて、一歩も外に出られないなんて――俺の友人はみんなそうだ――きっとものすごく辛いはずだ。人と会ったり、会話したり、交流したり、誰かと一緒に演奏するのが恋しくなる。そういうのが全部変わった。だけど、俺も大変だったとは言えないな。自分で望んだわけじゃないが、家にこもるにしても運よく居心地のいい場所がいくつかあったおかげで、対処できた。でもみんながそうとは限らない。

Translated by Akiko Kato

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