ユーミンら1970年代のアルファレコード作品を当時のディレクターと振り返る

学生街の喫茶店 / 大野真澄(GARO)

田家:この曲を選ばれた理由は?

有賀:この曲は、すぎやまこういちさんと山上路夫さんの作ったものなんですね。GAROのアーティストとしてのアイデンティティから考えると、他人の曲は歌いたくないというのがどこかにあるんです。それでTOMMY(日高富明)もMARK(堀内護)も自分で歌うのが嫌なもんだから、一番気の弱いVOCAL(大野真澄)が歌うことになった。でも、VOCALが歌ったGAROの曲が瞬く間にヒットしてGAROの中心になってしまうわけですね。それは“プロデュース”ということの顕著な例だと思うんです。だから私はこの曲がとても好きなんですね。

田家:当初はB面だった曲が、A面になって大ヒットしましたね。ライブでは、松任谷正隆さんが演出・構成されているんですが、素晴らしいと思ったのがプレゼンターが登場して出演者を紹介するという構成。オープニングはユーミンが出てきて、彼女が初めて書いた曲を歌う加橋かつみさんを紹介する始まりです。「学生街の喫茶店」の曲紹介をしたのは、GAROのプロデューサーだったミッキー・カーティスさんで。今、有賀さんが仰ったことを、ミッキーさんがご自身の口でお話されながら曲が始まるという。このミッキー・カーティスさんのプレゼンターとして紹介は長いので、番組ではご紹介しきれないのですが(笑)。

有賀:話し出すと止まらないんです(笑)。

田家:お聞きいただいたのは、2015年9月に行われたライブ「ALFA MUSIC LIVE」から、GAROの大野真澄さんが歌われた「学生街の喫茶店」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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