ユーミンら1970年代のアルファレコード作品を当時のディレクターと振り返る



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」アルファミュージック特集Part1。日本のポップミュージックの流れを変えた音楽制作会社アルファミュージックの特集。2015年のライブ「ALFA MUSIC LIVE」の映像作品が今年3月に発売されました。それを使いながらの特集です。ゲストには、元アルファレコードのディレクター・プロデューサー、現在はニューヨークに拠点を置く株式会社シティレコードのプロデューサー有賀恒夫さんをゲストにお送りしました。流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

歴史というのは一人の人間の力で変わることはない言っていいと思うんです。どんな英雄が登場しても、それを支えるたくさんの名もない人がいて英雄が英雄になる。そうやって歴史は変わっていくものですが、音楽はそうじゃない。これが面白いですね。一人の才能や突出した個人がいて流れが変わっていく。

アルファミュージックは、作曲家で当時24歳の村井邦彦さんが作ったもの。僕らが村井さんの名前を見たのは、ザ・モップスの「朝まで待てない」とかザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」ですね。彼が音楽出版社を作って、そこに賛同した山上路夫さんも当時頭角を現してきた作詞家。そして、そもそもの発端、六本木の伝説のレストラン「キャンティ」のオーナー川添象郎さんは、ロックミュージカル「HAIR」を日本で上演した人です。そういうサブカルチャーのレジェンド3人が新しい何かを作ろうと始まったのがアルファミュージック。そこから歴史が始まった。そうやって始まった流れに参加した、誘われた、そういう若いアーティスト達が一堂に会したのが「ALFA MUSIC LIVE」でした。もし、村井邦彦さんがいなかったら、ライブに参加した人たち、あの頃の音楽ファンの人生はどうなってただろうな? と思いながら、今月も聞いていただけると嬉しいです。



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

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