ユーミンら1970年代のアルファレコード作品を当時のディレクターと振り返る

アメリカン・フィーリング / サーカス

田家:作詞は竜真知子さん、作曲が小田裕一郎さん、編曲が坂本龍一さん。1979年のJALのキャンペーンソングでした。これもエピソードがありそうですね?

有賀:JALに選んでもらったのはありがたいのですが、選んでもらったのはサビの部分なんです。Aメロがないので、小田裕一郎さんにAメロも作ってくださいって頼んでできたものがよくなくて。グッと来なくて、とてもサビまでもたないんです。それでもう一回やり直してもらったんですけど、やっぱり良くない。彼は「僕はこれでいいと思います」と言ったんです。そうじゃなくて、私が判断する立場なので。どういう風に良くないかというのを細かく説明して。サビが映えるようにするAメロが必要なんだと伝えて、3回目に持ってきたのが今流れているAメロです。

田家:なるほど。鬼の有賀に鍛えられた小田さんは、1980年代に松田聖子さんの一連のヒット曲で開花するわけですね。有賀さんの中で「アメリカン・フィーリング」という言葉に対する思い入れはあるんですか?

有賀:変な英語だったから(笑)。変な英語でしょう。

田家:(笑)。でも1979年当時はアメリカっぽさがトレンドになってましたもんね。アルファレコードはアメリカ的な何かが一つの目指すものになっていたんでしょうね。

有賀:そうですね、特にこの曲は西海岸っぽいですよね。空が青そうで。

田家:そのアメリカの話はまた来週。ここまでがDisc1の話で1970年代ですね。来週はDisc2、1980年代の話です。来週もよろしくお願いいたします。

有賀:よろしくお願いします。

Rolling Stone Japan 編集部

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