沖縄からの新たな歌声 新人アーティスト・MATSURIの魅力とは?

そんなMATSURIは、1st digital single『金魚すくい』で2021年4月4日に配信デビューをした。彼女は現在も沖縄県在住で、楽曲制作や東京の事務所との打ち合わせも全てリモートで行なっている。場所に縛られずに全国に発信していく彼女の活動スタイルは、ネットワークが発達した現代にふさわしい新世代のパイオニアでもあり、地方在住の若者らも夢を叶えられることを身を以て体現している。彼女の歌声と活動が広がりとともに、多くの若者が夢を追う勇気を感じることだろう。

また、1st digital single「金魚すくい」は、2021年4月10日スタートのテレビ東京系連続ドラマ『私の夫は冷凍庫に眠っている』の主題歌に抜擢。上述のコンセプトでもある祭りの日を連想させる金魚すくいを題材に、切なく揺れる恋心を表している。同作ドラマの脚本家・監督の御法川修は、詩人・高村光太郎の『最低にして最高の道』をメロディに乗せた音楽動画をYouTubeで見つけたのがMATSURIとの出会いだった。彼女の声で詩が歌われると、言葉の裏に秘められた痛切さが浮かび上がり、光を探し求める者のやるせない傷だらけの想いに感じられ涙したと言う。



そして、御法川修は、彼女の魅力を「どうしようもなく人を惹きつけてやまないもの、それは《さびしさ》なんだと思います。混じりっけのない純度の高い《さびしさ》を、MATSURIさんの歌声に感じるのです。恋人に甘えたり、友人とおしゃべりしたら紛れる類のさびしさとは違う、この世に生まれ落ちたときから抱え込んだ宿命のような、さびしさ」、「僕たちは今、明るい未来を信じられない時代を生きています。うわべだけの希望を語ったり、見せかけの優しさを取り繕ってみたところで、口にした瞬間から嘘になってしまう。MATSURIさんが歌う希望や光に嘘が感じられないのは、彼女が自分の奥底に巣くう《さびしさ》と向かい合っているからだと思うのです。さびしさは、切り捨てるべきネガティブなものでは決してない。自分のさびしさを、ひとりで静かに見つめてあげることは、いつか必ず力に転じると思うのです」と語っている。

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