Panorama Panama Townが語る、新体制での試行錯誤と最新作

ー今作唯一の新曲「氾濫」についてはいかがでしょうか? 歌詞からは現代社会の情報やモノの多さが氾濫してしまっていることを歌っているイメージを受けました。

岩渕:まず「孤独な歌が宙に彷徨った」というフレーズが思いついて。その時に、コロナ禍ややりようのない歌が彷徨っている状態が2020年だったなと思ったんです。今は色々なものが溢れていて、ライブもインターネットを繋げれば見れるようになって、がモニター越しに手に入るようになっていった。けど、その人の歌やライブだって思って聞かないなと思うんです。ものが溢れている時だからこそ、唯一無二のものってとても大事だということに気付けた、そういう思いを歌にしました。その中で零れてくる言葉だったり、ライブの中でポロって出る熱量だ、気持ちよさって本当に替えがきかないですね。

浪越:この曲こそ一番イギリスのパンクムーブメントみたいな感じですね。それこそガレージロックリバイバル的な感覚で、リフが一本あってそこにボヤキをのせていって、毎回スカみたいなサビがくるみたいな。リフが続いていきそうになって、気持ちが溢れそうになったらスカで解放されるイメージです。「そのリフの部分をもっとズンズン大きくしたらこの曲が良くなるんじゃない?」って石毛さんが言ってくれて、そこの展開をどんどんかっこよくして、そこからガレージロックリバイバルっていうよりは悪いギターの音も目指して。

岩渕:最初はそれこそ2000年代のリバイバル感があったけど、最新のリバイバルパンク、ガレージロック的なものにして。新しいよりはリバイバルっぽいもの、そこからひりひりしたものに。どこかルーツは感じるけど新しいみたいな。

浪越:確かにそれをどの音で鳴らし直すかっていうのはあると思ってて。「氾濫」と「Rodeo」はリバイバルっぽいですけど、自分たちの解釈を加えて、自分らで面白くするにはどうすればいいんだろうって考えてましたね。

タノ:最初「氾濫」のベースは凶暴な音を作って持って行ったんですけど、石毛さんからギター用のエフェクターを貸してもらったんです。プラズマ回路でプラズマを発生させてひずませるみたいなものなんですけど、普通のベーシストが歪ませるところの認識の歪みを超えた、独特な歪み方になって効いているなって思いました。知り合いのベーシストに聴かせると「あのベースの音どうやってるの?」ってよく聴いてもらえて。ちょっと引っ掛かりのある、でもちゃんと歪んでドライブ感があるし良い音ができたと思いました。

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