Panorama Panama Townが語る、新体制での試行錯誤と最新作

ー「Sad Good Night」は昨年末に配信リリースされていましたね。結構原点回帰というか、ストレートなロックサウンドかなと思うんですけど。

岩渕:このEPの中では一番最後にできた曲ですね。パノパマの中では新機軸な曲なのかなと思っていて。最初のデモではもっと分厚いコードが鳴ってONE OK ROCKみたいな感じだったんです。でも、アレンジを重ねて今バンドとして聴いていて面白いものは何かなと考えていくうちに、間が空いている、埋まり切っていないサウンドっていいよねって波越と話していて完成した曲なんです。むしろここまでこうシンプルに音数を絞って空間がある曲って、パノパナになかったんじゃないかなと思います。

ーこの曲の歌詞についてもお伺いしたいんですが、歌詞内のくすぶってる感じは音楽活動が思うようにいかない状況への思いも込めたりしていたんですか?

岩渕:そうですね。去年の秋くらいに、ライブもなければ曲も出してくところもない。外に出す場がないっていうことで閉鎖的になって。PPT Online Studioも終わっていたので作り続けるっていうことがつらくなっていたんですけど、その思いをそのまま歌詞にしたっていう感じですかね。全曲とも少なからずコロナ禍での思いを託しているんですけど、「Sad Good Night」は特に進みたいけど進めない中でもやっていきたいっていう感覚ですかね。

浪越:自分たちが最近聴いているロックバンドの中でかっこいいと思うのは、間が空いているものだったんです。なのでベースとバッキングギター、リードギターで被っているところがないようにしました。そういうのは前からやりたかったんですけど、やったことなくて。そこで石毛さんに力を借りて、アドバイス通り弦2,3本だけで八分で鳴らすだけですごくかっこよくなって。あとはザ・ストロークスの新譜『ザ・ニューアブノーマル』が好きすぎてそれに捧げたところもありますね、個人的には。

タノ:Bメロのベースが曲に効いてるのかなと手応えがあります。Aメロは淡々と進んでいって、Bメロで急に出てくる感じで。それがいい意味でアンバランスな躁鬱感が出るかなと思いますね。他の収録曲はベースで曲を展開させていく曲調じゃなかったので、「Sad Good Night」のBメロはうまいこと曲を動かせるベースを弾けたのかなと。

ーベースのアプローチについても、石毛さんと話し合ったりアドバイスもらったりしたんですか?

タノ:どっちかと言うと、アプローチよりは弾き方の面でのアドバイスをもらうことが多かったですね。僕はずっとジャズべースを使って弾いてたんですけど、プレシジョンベースの方が曲に合ってるんじゃないかと言ってもらって、実際に4曲ともプレべで弾いたり。フレーズっていうよりは弾き方へのアドバイスの方が自分的には大きかったですね。

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