―2015年にデビューをすると、その年に「SUMMER SONIC」や「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIAL」など大型フェスに出て、多くの人の目に触れる機会を得ましたね。ステージに立ってみてどうでしたか?AKUN:シンプルに嬉しかったですけど、そのぶん力の無さを感じたというか。
KENNY:うん。その年のSUMMER SONICはファレル・ウィリアムスとかアリアナ・グランデが出演してて、言ったら同じイベントに出演しているわけですよ。それで「全然実力不足だわ」と思って悔しくなったのを覚えてますね。
KAZUMA:実力が同等じゃないのは当たり前なんですけど、如実に自分たちの力が足りないことを突きつけられましたね。
―とはいえ、その後もどんどん大きなフェスやステージで歌うようになって。おそらくもっと前からメジャーデビューの話は来ていたと思うんですけど、それでもインディーズで活動をしているということは、そこにSPiCYSOLなりのアイデンティティあるのかなと思ってました。AKUN:いやぁ、より良くなるならそっちを選ぼうというシンプルな感じかな。メジャーに行きたかったからワーナーと一緒にやっているわけじゃなくて、ワーナーのチームが良かったから一緒に上がっていきましょう、と。なので人とタイミングがハマってメジャーデビューに至ったんですよ。確かに「なんで今さらメジャーデビューなんだ?」と思うかもしれないですけど、言ってしまえば仲間が加わっただけですね。
―そうなんですか? 2019年、KENNYさんが大黒摩季さんのツアーに呼ばれて、NHKホールのステージに立ちましたね。終演後、大黒さんに「摩季姉、俺もここでやりたい。お客さんが満タンの中で歌いたい」と言ったとか。もしかしたら、そのタイミングで「メジャーの世界で勝負したい」と心に火がついたのかと思ってました。KENNY:もちろん武道館とかドームとか大きなステージ出られたら嬉しいなって、漠然とは考えてましたよ。ただ、どういうステップで上がっていけば良いのかは全く知らなくて。ライブハウスだったらどこでも良いでしょ? と思っていたんです。だけど、摩季姉の「伝えることへの力強さ」をお客さんよりも近い距離で感じてしまうと、「こんなに素晴らしいものがあるのか」と痛感して、「俺もここでやりたいです」と言いたくなったし、気持ちのスケールが大きくなった気がしますね。昔はドームへライブを観に行っても、ただただ楽しむだけで、自分がやるビジョンが全然見えてなかったんですけど。今は数万人規模のステージに立てるようなバンドになりたいと思うし、それがメジャーへ行ったきっかけでもありますね。