岡林信康が生み出した日本独自のロック“エンヤトット”

岡林信康


ペンノレ / 岡林信康

(スタジオ)

田家:これがエンヤトットであります。エンヤトットというネーミングは岡林さんご自身で考えられたものですが、当時は、言葉に対してのある種の戸惑いがあった記憶がありますね。耳慣れない言葉だった。それってなんだ? というところから入って、アフタービートとは違う前ノリのエイトビートのポップスなのかと。民謡や盆踊りで使っているリズムでロックのエモーションをどう表現するか? 一つの答えになったのがこの曲です。ペンノレというのは韓国の民謡ですね。岡林さん自身も色々な所に行ったり、民謡のレコードを聴きながら、韓国の打楽器グループ「サムルノリ」を紹介されて出会うことになるんです。そして、こういうリズムが生まれた。これが1990年に出た『ベア・ナックル・ミュージック』の一曲目。「ペンノレ」でした。続いてインタビューは、韓国の打楽器グループ「サムルノリ」について。そして、曲は1991年の東芝EMI時代のアルバム『信康』から「サムルノリ…熱い風…」です。

(インタビュー)

岡林:民謡音楽はたくさん聴いたで。その中で、サムルノリという韓国の打楽器のグループに出会った。彼らがやっているのは日本じゃなくて韓国伝来のリズムだけど、彼らの姿勢っていうのかなあ。俺たちは西洋のロックは知らんが、韓国のものやらせたら世界一だっていうあの割り切り方というか。韓国のことしかできないけど、韓国やらせたら俺は世界一だよっていう姿勢に惹かれたよね。何回も韓国に行って彼らに会ったり、彼らが日本にきたらまた会ったりして。その中で、ちょっとずつ輪郭ができていったんだね。 

田家:サムルノリは誰かに紹介されたんですか?

岡林:サムルノリが日本に来る時によくライブを主催している人が、僕のファンでもあって声をかけてくれたんだよ。高校生の音楽鑑賞の授業だけど、特別に入れてもらえるから見るかって言われて。それで見たら、日本の高校生が興奮してしまって舞台に上がって彼らを胴上げし始めたの。だから、リズムの力ってすごいなと思って。 

田家:衝撃だったんですね。

岡林:うん。それで俺がこの日本のリズムを習得して前面に出してやれば間違いないと思って。これで世界に出ていけると思った。苦労もしたけど、太鼓の編成はサムルノリを真似て低音と中音、高音を打つ太鼓を三人揃えて。俺がギターを弾けばサムルノリの日本版“ジャパルノリ”になると。そこから始まった。

Rolling Stone Japan 編集部

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