音楽素材のサブスクサービス「Loopcloud」が広げていく新たな音楽の可能性

ーKihiroさんはLoopcloudに関連して、音楽素材を扱うレーベル「Tsunami Track Sounds」を立ち上げられていますね。これを立ち上げられた経緯もお伺いしたいです。

何よりも、Loopcloudの中に日本人のクリエイターがいないからですね。本社のLoopmastersでは、アーティストパッケージというのが出ていて、エレクトロ界とかダンス系のアーティスト、何億再生もされているDJなんかの音ネタが並んでいるんです。日本って特別詳しい人以外はそういう人を意外と知らなかったりするじゃないですか。本当にクオリティの高いサウンドが入っているんですけれども、同じくらいのレベルのミュージシャンは日本にもいると僕は思っていて。本社と話をして、日本のクリエイターにもチャンスを作ってあげたかったんですよね。自分の才能と音が世界中のユーザーに届くロマンを感じてほしいのと、日本人の才能をここから世界に発信してほしい。それに加えて、正直な話、ここでサンプルやループが売れればお金にもなるので。音楽を仕事にする収入源として別の道も与えられると思うんです。僕はSupeでアメリカで500本のライブをしてきたんですけど、その頃から日本をナメるなこの野郎っていう姿勢でやっていて。その気持ちがこういう形に変わって、日本のアーティストを世界に出したいと思ってますね。

ー海外でヒットした曲を聴いてみたら、自分が作った音が入ってたら面白いですよね。夢があります。

曲として選ばれないかもしれないけど、ワンフレーズとしては世界一位になっちゃう可能性もある。実は、3月18日に「Tsunami Track Sounds」から元SIAM SHADEのドラムの淳士さんのパッケージを出したんですよ。Loopcloudでダウンロードすると、ドラムとシンセのプラグインもついてくるんですけど、これに淳士さんが実際に叩いたドラムの各パートの音が入ってるんですよね。それを使って、今度は作曲大会をやろうと考えていて。武道館に何回も立っているドラマーの良い音が、自分のパソコンの中で扱えるようになるんです。色々なアーティストをどんどん出していって、例えば淳士さんと坂本龍一さんのピアノを合わせたり、名だたるミュージシャンをごちゃ混ぜにして、オリジナルの曲をユーザーが作れるようになったらおもしろくない⁉︎ って僕は思ってるんです。

ー意外な組み合わせもできるかもしれないし、オールスターみたいなものもできるかもしれないって面白いですね。

各アーティストをアニメのキャラクターみたいに僕は思っていて。悟空とルフィーが一緒のストーリーに出てきたぞ! みたいなものに育てていきたい。それをTsunamiのレーベルとしてやっているので、そこから日本を発信していきたいなと思っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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