音楽素材のサブスクサービス「Loopcloud」が広げていく新たな音楽の可能性

ーLoopcloudのもたらす可能性もお伺いしたいです。日本でもラッパーやトラックメイカーの方たちはトラックやタイプビートを購入する文化があると思いますが、海外に比べると。まだサービスが浸透しきっていないんですか?

サンプルを使うと、どうしてもチートって言われるんですよ。でも、考え方を変えてみると、要は大量のプリセットが入ってるのと一緒なんですよ。結局、他のプラグインで、シンセのプラグイン、ドラムのプラグインを購入したら、プリセットって絶対ついてくるわけじゃないですか。皆それをちょっといじるだけで終わらせる部分もあって。その行動と一緒で、フレーズを丸々使うのがずるいと言うのであれば、音楽を作る時にバンドメンバーにアイディアを求めないのか? という話になってくるわけです。Loopcloudの宣伝動画でもJESSEに言ってもらったんですけど、「いろいろな刺激を与えてくれる仲間がここにいるんだよ」と見てもらいたい。色々なミュージシャンのアイディアが詰まっている場所なので、そこから刺激を受けたり、ちょっとした手を差し伸べてくれているもの程度に思ってくれる方がいいと思います。ずるだって考えないで! 暗いわ! みたいな(笑)。



ー1人でも刺激を与えてくれるのは確かにすごいことですね。特に若い方とかシンガー・ソングライターの方も、1人で曲をDTMとか打ち込みで作る方も多いので、そういう人達の創作の刺激になる部分も多いですよね。

特にシンガー・ソングライターの子たちって、ライブではアコギ一本、ピアノだけの人もいるじゃないですか。そういう子たちって意外とDTMが使えそうで使えないんですよね。使っているんだけども、音が限られていることも多くて自分を狭めちゃう。そこにLoopcloudを使うと、全く違うヒップホップのビートに自分のアコースティックを合わせたら、新しいものが発見ができる。普段、自分はJ-POP風な弾き語りやっているけど、ヒップホップビートを聴いたらこんな曲ができちゃった! みたいなこともあり得る。そういう着眼点で、ご自分の音楽を広げてもらいたいなと思いますね。

ージャンルの壁も簡単に超えられるかもしれないですよね。

簡単に超えられちゃいます。あと、意外と自分の別の才能を発見したりします。僕も作るんですけど、何回かやっていくと、自分の属性が分かっていくんですよ。なんでいつもアムステルダムな感じになるんだろうな?とか、意外とチル系とかも作れるんだなみたいな発見もあって。今まで自分が思っていた自分の音楽のスタイルが、大きく開けちゃったりもすると思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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