Chaki ZuluやAwichとの関係
ーGraceさんはすごくオーガニックに歌を歌い始めた、という印象ですが、アーティストを目指した明確なきっかけはありますか?
Grace:確か高2のときぐらいに、始めてちゃんと歌詞を書いてみたんです。悲しい気持ちになってしまって、FKJとマセーゴの「Tadow」って曲を聴きながら歌詞を書いてみたら、頭の中にメロディが浮かんできた。それを口に出した瞬間に「ちょっとこれいいかも」って。その後、家に帰って、すぐお母さんたちに「これ、聞いて!」って聞かせてみたら、「結構いいよ」って言ってくれたんです。
ーその行動が、アーティストへの第一歩だったんですね。
Grace:あと私、Awichとは家族のような付き合いをしているんですけど、Awichが私の家に来たときに、その音源をプロデューサーのChaki Zuluさんに送ってくれたんです。私はただの遊びでやっていたつもりだったけど、「これ、もうChakiさんに送ったよ」って。そしたらChakiさんから連絡が来て、「一緒にやってみよう」と。その時に、始めて「曲が作れたらいいな」と思ったんです。それからだんだん、私にとって、歌うことが一番大きな夢だなって思うようになったんです。
ーいろんな偶然を引き寄せて、デビューに至ったように思えますね。
Grace:今のところ、全てがスムーズな道でした。「気が付いたらこういうところにいた」っていう感じ。パズルみたいに全てが埋まっていったみたいな。Chakiさんも家族みたいな友達みたいな人で、アドバイスが欲しいときはChakiさんに連絡するんです。
ーこれまでにChakiさんとは「Eternal Sunshine」「Open」「My Eyes」の3曲を一緒に制作していますが、いつもどんなプロセスを経て楽曲を作っているのでしょうか。
Grace:まず、私がビートがない状態でメロディを思いつくことが多いんです。ドライブしてる時や部屋にいるときなんかに、いきなりパンってメロディが出てくる。そこで、パッとレコーディングして、Chakiさんに送っています。あとは、スタジオにいるときに、適当にセッションを始めて、Chakiさんがコードを弾いて、私もエイリアン語みたいな歌詞を乗せて歌っていくと、二人とも「これだ!」ってハマる瞬間があるんです。何も言わなくても、ナチュラルにそういう瞬間がくる。私は、頭の中で絵を思いついたら、その絵の通りに曲を作っていくっていう感じなんです。だから、書くプロセスは早いと思います。「Open」は1時間くらいで完成した曲です。
ーGraceさんの歌詞からは、リスナーに寄り添うような優しさとポップさが同居しているような印象を受けました。普段、どんな時に歌詞を書くことが多いですか?
Grace:ふと、歌詞を思いつくことが結構あるんです。ちょっとでもインスパイアされたものがあったら、それについて書いてみる。例えば、水が入ったボトルを見たときに「これでどういう話が書けるかな」って思ったり、雨が降っていたらなんだか切ない気持ちになって「この気持ち、みんなも感じたことがあるのかな」って書いてみたり。そういうムードに入っているときは、早く書けちゃいます。あと、人が聴いて、ちょっとでも気軽な気持ちになれたらいいなと思って歌詞を書いていますね。今のところ、そういうミッションはちょっと成功しているかな?って思います。