神はサイコロを振らない、4人が語る「神サイらしさ」のアップデート

共通して「核」となっているのは「歌」

─では、今回リリースされる『エーテルの正体』についてお聞きします。まずはタイトルの由来を教えてもらえますか?

柳田:作品というよりも、「今の神サイ」を表しているフレーズだと思っています。エーテルとは、物理学だと「光が波動として伝搬する為に必要な媒質」という意味だし、神学だと「常に輝き続けるもの」という意味という意味なんですよ。昨年ライブが出来ない時期に、ファンの皆さんがSNSなどを通じてたくさんの応援メッセージをくれたり、YouTubeのリリックビデオにコメントをくれたりしていて。読むと「この暗い時代の中で、神サイの音楽に生かされています」とか、「生きる意味が見出せない中、神サイのおかげでもう少し生きてみようと思いました」みたいな声もあって。

俺らが音楽をやっている理由は、結局そこにある、そういう声のために俺たちは音楽を作っているというか。そういう意味では、僕ら神サイにとっての「光=エーテル」の正体は人であるなと。そして、僕らが音楽に支えられたように、俺たちの音楽が誰かにとっての「光=エーテル」であってほしいなという想いが込められています。

─『文化的特異点』やバンド名の神はサイコロを振らないもそうですが、柳田さんのネーミングは物理学にちなんだものが多いですよね。専攻は理系だったのですか?

柳田:一応、大学は理系ですが、僕がやっていたのはプログラミングなど情報系で、物理は学んだこともないんですよ(笑)。ただ、昔から好きなんですよね。小学生の頃は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好き過ぎて『タイムマシンの作り方』みたいな本を、登下校中に歩きながら読んでいました(笑)。タイムマシンはいまだに作れると思っているんですよね。

─(笑)。今回は、4曲中3曲がタイアップですよね。

柳田:自分たちだけでゼロから作るのではなく、作品の世界観やテーマなどありきでそこに自分たちの「色」を入れていくという、別な作品との共作的な曲作りは、実はすごく性に合っていたというか。特に歌詞の部分は、作品のテーマに寄り添いつつも、神サイとしての世界観を見せていく試行錯誤が楽しくて仕方なかったです。

─「神サイの世界観」「神サイらしさ」みたいなことを、いつも以上に意識するかもしれないですね。

柳田:確かに。今回は4曲とも全く違う曲調なのですけど、そんな中で共通して「核」となっているのは「歌」だと思うんですよね。つまり「神サイらしさ」とは歌のことなのかなと。僕は自分の歌がうまいとは全く思っていないんです。ただ、自分にしか出来ない表現があるなと自負していますし、そこをもっと磨いていきたい。ブレス一つでグッと引き込まれるような歌い方にしたくてこだわり抜いています。


Courtesy of Universal Music Japan

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