[Alexandros]が語る、10年かけて築いたバンドの形と「サトヤス勇退」の意味

サトヤスがこのバンドに惚れた理由とは?

―サトヤスさん的には[Champagne]に入りたいっていう気持ちだったわけじゃないですか?

サトヤス:はい。

―そう思わせてくれた一番の理由って何だったんですか?

サトヤス:やっぱり考え方の狂ったバンドだったんですよね。すべてに対して真っ直ぐだったし、純真だったし、燃えてもいたし。元々僕だってそういう人間ではあったんですけれど、25歳とかまでバンドをやってると、いろいろやっているのに、にっちもさっちも行かなかった時、そういう気持ちをどんどん隠してしまうようになってしまって。でもそうなっていくなかで、この3人と一緒にやれるんだったら俺もそういう気持ちに戻っていいんだとか、持ち続けていいもんなんだよねって思えたんです。そういう音楽に対する気持ちを唯一ちゃんと出せるのが、この3人だったっていうのが一番大きい理由でしたね。

―実際に加入した後はそういう想いがどんどん強くなっていきましたか?

サトヤス:そうですね。どうせ俺なんか、どうせ俺には無理だろうって思ってたことがどんどん現実になっていったので。TVに出られたり、武道館でワンマンができたり、オリコンで一位が獲れたりとか。高校生の頃に思い描いていた夢、いわゆるステレオタイプな「俺はロックでメシを食うんだ!」みたいなのはとっくに叶っちゃって。で、その先にあるさらにデカイものを一緒に睨む仲間に出会えるなんて、俺は夢物語だと思ってたんですよ、この3人と出会うまでは。そんなに純粋にロックを信じる、バンドを信じる、音楽を信じることは、この3人じゃないとできなかったでしょうね。

―磯部さん、白井さんはバンドに入ってみなきゃ分からない派だったわけですが、実際にサトヤスさんが入ってバンドは変わりましたか?

白井:間違いなく変わりましたね。楽曲も変化したし、ライブで出す音も全然違ったと思うんですよ、前任のドラムとは。あと4人の暮らしの中にも入ってきたので、自分らの生活もちょっと変わりますよね。急に生活力のない人間が入ってきたんで(笑)。サトヤスって何もできないから“生活する”ってこういうことなんだよってみんなで教え込んだ記憶はありますけど。

サトヤス:そして一切それを学ばない。

白井:あれだけ教えて学ばなかったんですか?(笑)

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