錦戸亮が2ndアルバム『Note』を引っさげ、全国10カ所12公演のホールツアーを4月からスタートさせる。歌い手としていま何を考えているのか、錦戸の心中に迫った。前の事務所から数えると芸歴20年以上。表舞台に立つ錦戸亮のキャリアは一見眩しく輝いているが、ギターを手に活動していたグループ時代は派手なソロというよりサイドギターに徹することが多く、さらに自身の作詞・作曲もコツコツと地道に続けるなど、職人気質な一面もある。独立後、歌い手としてお客さんに何を届けられるか、どうしたら楽しんでもらえるか、そんな風に自問自答を繰り返しながらエンターテインメントの世界を漂う錦戸亮。そんな彼はこの先どこへ向かうのか?(Rolling Stone Japan vol.13掲載)赤西仁との関係性ー赤西仁さんとのYouTube番組『NO GOOD TV』や、2人の共同プロジェクト「N/A」のアルバム『NO GOOD』もそうでしたけど、ここ1年くらいの錦戸さんは新しい扉を次々に開いてるなぁと思うんですが、ご本人としてはどうなんでしょう?錦戸:大きな会社にいてその中のグループに所属していた時は、役割分担みたいなものを考えたりしていて。いっぱい喋る人がおったら、全然喋らん人がいてもいいじゃないですか。だから自分は寡黙でカッコつけてる風に見られがちだったのかなと思います。仁の場合は元から完全にカッコつけてると思いますし、それが普通なんでしょうけど(笑)、自分の場合は喋らないようにしていたら、そういう風に見られてしまった……みたいな。素を出すことがいいことなのか、もっとミステリアスな感じの方がいいのかは分からないですけど、カッコつけることをカッコいいと僕は思ってこなかったので。
今は、自分の責任の下でいろんなことができるし、自分がどう見られようと自分次第。すごくやりがいも感じられるし、誰がどこで動いているかが見えやすくなりましたね。仁とはお互いに言いたいことを言える関係だと思います。フェアでいれるっていうか。いっつも飯奢ってる友達とかって、どうしても自分が優位に立っちゃうじゃないですか。だけど彼は毎回割り勘してくれるイメージ。あと彼と一緒にやっていて、音楽制作でも「ああ、そここだわってやるんや」って驚くことがあって。僕自身、彼とN/Aで一度制作できたことによって、今回の2ndアルバムを作る際、これまで気にしていなかったところにもこだわれるようになったかもしれないです。
ー今回の錦戸さんの2ndアルバム『Note』に関して、赤西さんは何か携わってるんですか?錦戸:前作(『NOMAD』)の時は曲が出来上がる度にデモを送ってたんですけど、今回は一曲だけです。曲の英詞を手助けしてもらって。
ーN/Aでのコラボの影響はありました?錦戸:結果的にキャンセルになりましたけど、もともと今年ハワイで2人でライブをする予定があって。2人でどうやって(ライブを)成立させんねやろっていうのを念頭に置いて作ったアルバムがN/Aの『NO GOOD』だったので、あまりそこからの影響はないかもしれません。やっぱり1人の方がラクっちゃラクやけど、自由がありすぎるし、どっちがいいのかはよくわかんないですけどね。