Netflixアニメ『ビッグマウス』脚本家、アイオウ・エディバリーのナードな青春

25歳のエディバリーのユーモアのセンスは、当時よりもかなり成熟していった。最近では、思春期の子どもたちをテーマにしたNetflixの人気アニメシリーズ『ビッグマウス』のストーリーライターを務め、またミッシー役の声優にも挑戦し始めた。ミッシーは卑猥な二次創作に没頭する黒人のティーン。当時のエディバリーと少し共通点がある。彼女がレイチェル・センノットと共に制作・出演するコメディ・セントラルのスタンダップコメディ番組『Ayo and Rachel Are Single』では、大麻入りのクッキーでハイになりすぎた彼女が、自分に3Pをしないかと声をかけ続ける人たちに、きついジョークを飛ばす場面が見られる。しかし実際のところ、彼女は今でもほとんどの点で昔のまま、ナードっぽくて自己批判的だ。



エディバリーは敬虔なペンテコステ派の家庭で育った。母はバルバドス出身のソーシャルワーカー、父はナイジェリアからの移民でマサチューセッツ州の公共事業を仕事にしていた。こうした環境のもとで彼女が触れられるコメディは、クリスリャン向けのスタンダップコメディや、『Martin』シリーズのようなテレビ番組の再放送がほとんどだった。しかし彼女は当時の環境について「楽しみも何もない堅苦しい環境だったという訳ではなくて、ただルールがあったというだけでした」と、語っている。

エディバリーはその後ニューヨーク州立大学に入学し、教育学を学ぼうとしたが、教育実習の後に専攻を変更した。その理由は「十年生(高校一年生)がめちゃくちゃ怖かったから」ということらしい。その後、Upright Citizens Brigade Theatre(UCBT)のような有名なコメディクラブでのインターンを通し、コメディアンに挑戦することを決めた。UCBT内で初めて黒人のみで組まれたチーム・アストロノミー・クラブに所属するKeisha ZollerとMonique Mosesの名を挙げ、「実際に見てみることが一番大切だと思いました」と、この2人から大きな影響を受けたことを語った。こうして2年間、コメディアンとしてのキャリアを積むために活動し、もし駄目なら大学に戻り、教員免許を取ることを考えたのだ。

Translated by Kazuhiro Ouchi

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